第65回 おじさんの出口

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

【売れるセールスの条件】

「名選手、名監督にあらず」
という言葉があります。
企業においても、優秀なプレイヤーが、
優秀なマネージャーではないというのは
よくあることでした。

人の懐に飛び込むとか、
笑顔で相手を気分よくさせることで、
成績を上げているセールスが、
管理職としてうまく行かない事例は
山ほどあります。

その一方で最近は、
売れるセールスが優秀なマネージャーに
なるのではないかと思っています。

理由は、
情報化社会において、モノを売るためには、
商品やサービスの要点やメリットなどを、
的確にまとめて、伝えるという技術が
とても重要となっているからです。

売れる条件が変わってきたのです。

その技術があれば、
ネットに乗せて販売することもできますし、
メンバーの教育にもなり得ます。
つまり、
売れる条件というものは、
優秀なマネージャーの条件です。

【野村ノート】

もうお亡くなりになりましたが、
プロ野球の野村克也さんは、
「野村ノート」をつくり、
メンバーに伝えて、教育をしていきました。

勝つための戦術ノウハウを文字にして、
まとめるという活動をしていたのです。
野村さんが名将と言われる理由の、
ひとつだともいえます。

その野村ノートで
メンバーを育て上げ、
ペナントレースを勝ち上がりました。
さらに「野村ノート」は、
ベストセラーになって、
考え方を私達に伝えてくれています。

情報化時代を先取りしたかのようです。

【おじさんの役目】

これからは、
上手なロジックを組み立て、
わかりやすく人に伝えることが
売れるセールスの条件であり、
良いマネージャーの条件となります。

物心がついたときからネットに
慣れ親しんだ世代は、
小さな頃からメールやSNSを駆使して、
テキストや図、動画を使います。

反対に私達おじさんは、
図で表現したり、動画で表現したりする
そんな方法をあまり知りません。
「電話のほうが速い」といって、
すぐ電話してしまいます。

ということは、
おじさんの今やるべきことは、
長年溜め込んだ経験やノウハウを、
若い世代にコンテンツ化してもらうことです。
そうすると、
結果的に良いマネージャーを育てることに
つながると考えます。
おじさんの輝かしい出口です。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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