大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。
第5回 新事業を始めた理由は「解雇」と言えなかったから?

前回の対談では、藤村さんの経営者人生における「初の大成功」について聞かせていただきました。

そこからいよいよ『電材買取センター』を立ち上げることになるわけですが、事業がうまくいっている中、なぜわざわざ新規事業をスタートさせたんです?

それでいうと、ちょっとした事情がありましてね。実は当時、ヤマダデンキさんからの仕事の他に、あるスーパーさんから宅配センターの仕事も任されていたんです。スーパーで売れた自転車とか布団とかインテリアとか家電なんかを、お客様のところへ配送〜設置する仕事なんですけど。

そうですそうです。5名くらいでしたけど、配送手配とか倉庫内の在庫管理とか、いわゆる内勤業務をやってもらってました。ところがある時、そのスーパーさんから「宅配からはもう撤退します」って急に言われてしまって。

いやぁ、とてもそんなこと言えませんでした。会社が苦しい時にもずっと一緒にやってきてくれた仲間に「宅配センターがなくなるから君らクビね」なんて言えませんよ(笑)。とは言え、じゃあその5人はフジデンに戻せばいいって話でもなかったんです。

仰るとおりで、仕事がある保証がなかったんです。それで「ほな、しゃーない。5人のために何か新しいことやるしかない」と。それで急遽『電材買取センター』を出店して、5人にそこでの仕事を任せることにしたんです。

それはそうなんですけど。でも、僕自身は店を長く続けていく気はなかったんです。財務の取締役に「この店には2000万円を使う。それが無くなったら、店もおしまいにする」って最初から言っていましたから。要は、その5人に「お前たちのために俺は努力したんだぞ」というポーズを見せたかっただけなんですよ。

ははぁ、つまり電気工事にまつわるあれこれ、ということなんですね。そう考えると、エアコンの取り付けの仕事をメインでしていた藤村さんが、新規事業として「電材」に着目するのも自然な気がしてきました。知識や経験があるわけで、その分有利ですもんね。

いやいや、そんな風に合理的に考えてたわけでもないんです。5人を解雇しないために新事業をすることは決めましたけど、何をしようかというのは全く考えていなくて。で、「何かのFCをやるのが一番手っ取り早いかな〜」なんて考えているときに、たまたま『タックルベリー』を見かけて。

そうですそうです。当時はすごい勢いでFC展開していたんですよ。で、ウチの会社のNo.2は釣り好きなんですけど、彼と「釣りをする人口より、電気を扱う人口のほうがずっと多いから、タックルベリーの電材バージョンって案外イケそうやない?」って話になったんです。

ええ。そしたらちょうど東京ビッグサイトでFCショーをやっていて、タックルベリーの担当者さんと話せるチャンスがあったんですね。で、根掘り葉掘り聞いているうちに「釣具と電材、思った以上に似ているぞ!」となりまして。
対談している二人
藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役
1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。