第140回 社員ゼロで1億円を稼ぐ「新しい経営」

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第140回 社員ゼロで1億円を稼ぐ「新しい経営」


藤原

昔、安田さんがワイキューブ時代に「経営とは何か」というテーマでセミナーをされていたかと思いますが、最近のメルマガでもまた書かれていましたよね。経営に対する考え方もどんどんアップデートされているでしょうし、あらためて話してみるのも面白そうだなと。

安田

ああ、いいですね。例えば「経営者」ということでいうと、「会社を作って1人で下請け仕事をしている社長」が、自分を「経営者」と名乗ることがありますよね。でもあれは社長であっても経営者ではないだろうと思うんですよ。


藤原

同感です。登記上は「代表取締役社長」なんですけどね。

安田

ええ。経営者の会合で「社員はいない」と話したら、「それは経営しているとは言えないぞ」と怒られたという人の話を聞いたことがあって。


藤原

確かに、他人の時間を使って事業を回して利益を上げるのが経営だ、という考え方は根強いですからね。

安田

そうなんです。じゃあ社員を雇わないと経営できないのかと言われると、私は今まさに「社員を雇わずに経営をやってみる」ことに挑戦しようとしていて。昔は、社員の時間と会社のお金を使って、それを増やしていくのが経営だと思っていたんですが。


藤原

自分の時間を使って、多少の投資をして増やすという意味では、社員を雇っていなくても経営的な要素はありますよね。

安田

ただ、自分の今の状態は「経営をやっている」とはやっぱり感じられないんですよ。雇われてはいないものの、これは「労働」だなと。だから、経営者に戻ろうと決意したんです。


藤原

ご自身のやりがいや面白さは、やっぱり経営をやっていないと得られないということですね。いくら労働して稼いでも、それだけでは満足できない。

安田

そうなんです。自分は経営が好きなんだとちゃんと認めようと。で、じゃあ経営とは何かといえば、「不労所得を稼ぐ仕組みを作る」ということだと思っていて。


藤原

自分の労働に依存しない収入の入り方ですね。それこそ宮古島に旅行に行っていても、お金が入ってくるような(笑)。

安田

そうそう(笑)。3年間寝ていてもお金が入ってくるような仕組みを構築する作業が「経営」なんだろうなと。それを認めたくなくて1人でやってきたんですけど、最近の不足感や空虚感は経営をしていないからだと気づきまして。


藤原

人を雇う、雇わないの問題ではないということですね。

安田

そうです。だからこれまで年収の上限を決めてやってきましたが、それをやめて、まずは不労所得で1億円稼いでみようかと。そのために、まずは目先の仕事を減らしてみました。


藤原

いきなり仕事を減らすのが安田さんらしいですね。昔から変わっていない気がします。

安田

減らして空いた時間で、寝ていても収入が入る仕組みを考えていると、やっぱり楽しいんですよ。お金が入ってくるから楽しいというより、儲けの仕組みを考えること自体が好きなんでしょうね。


藤原

すごくわかります。人にアドバイスをして、その人の会社が劇的に儲かるように仕組みをチェンジしてあげることにやりがいを感じる。でもアドバイス業だと結局は自分の労働になりますよね。

安田

仰るとおり、コンサルやアドバイスも突き詰めれば肉体労働なんですよね。だから他人の業績アップを手伝うのではなく、自分の業績アップの仕組みを作ることが経営なんだと気づきまして。


藤原

なるほど。ただ、自分が労働をしないとなると、誰かにやってもらわないといけないわけですよね。

安田

そうなんです。ただ、社員を雇ってチームを作ることはしたくないので、「外注」という形で関わってもらおうと思っていて。


藤原

なるほど。チームを作るにしても、雇用はしないんですね。 

安田

ええ。かつて自分の会社を世界で一番年収の高い会社にしようと借金をして給料を上げたんですが、うまくいかなかった。でも自分と一緒にビジネスをやる人の収入を増やしたいという思いは変わっていないので、今度は外注として関わってくれる人の年収をどんどん上げたいなと。

藤原

つまり、コストを抑えるための外注ではないと。確かに一緒に働くことで多幸感ややりがいを感じられる仕組みがないと、自分がいくら儲かっても面白くないでしょうからね。

安田

ええ、やっぱり一緒に喜べるメンバーがいないとね。でも雇用だと、毎月決まった日に決まった額が振り込まれる状態なので、同じリスクを背負って経営者意識を持つのは無理があると思うんです。

藤原

受け取る報酬の仕組みで、根本の役割が変わってしまいますからね。

安田

だからこそ、「あそこで一緒に仕事をするとめちゃくちゃ収入が増える」と言われるようなことをやりたい。結果的に私も寝ていてお金が入ってくるというのが理想です。

藤原

素晴らしいですね。ただ、外注の方の報酬を増やすには、代替不可能な価値を提供できるかが問われますよね。同じ仕事なら安いところに発注が行くという力学がありますから。

安田

その通りです。だから外注さん選びは厳しくなります。お客さんに対する責任、納品のクオリティや期日を守れる人にしか仕事は発注できなくなります。でも見合う人にはしっかり払いたい。

藤原

どれくらいの単価を想定されているんですか?

安田

最低でも、その仕事だけで年収1000万、今の時代なら1500万稼げるような単価で発注したいと思っています。無理な重労働をしなくても、会社員以下の時間でそれくらい稼げるように。

藤原

それなりの金額を払っても、お客様にそれ以上の価値を提供して喜んでもらえる仕組みということですね。

安田

会社組織じゃないから、評価制度も管理システムもいらないし、利益を会社にプールする必要もありません。そう考えたら、高い報酬を払いながら私も儲かる仕組みができるんじゃないかと。それを考えるのが楽しいんです。

藤原

非常に面白いチャレンジですね。安田さんが作る「新しい経営の仕組み」がどうなっていくのか、私も楽しみにしています。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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