人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第20回 優秀な社員を育てるために必要なこと

ですよね。もっと露骨に言えば、「社員というのは管理しないとサボる」と考えている。だから今回のテーマである「自由に仕事をさせた方が成果が出る」という考えを持つのは、なかなか難しいんじゃないかと思って。

仰りたいことはわかります。実際、社員を信じられない社長は多い。オフィス用の監視カメラや、リモートワークの社員がちゃんと仕事をしているか調べるアプリが売れているのも、そういうことなんだと思います。

ええ。しかし、じゃあなぜ彼らがそう思い込んでいるかというと、それはやっぱり企業が、あるいは先輩がそう教えるからですよ。ルールを守りなさい、言われたことだけやりなさい、そうすれば成果が出るから、と教えている。

単純に、少しずつでもそういう機会を設けていくほかありませんよね。監視カメラやPCアプリで見張るようなことばかりせず、自己管理のための研修を実施したり、新事業のためのブレストをやったり……とにかく今までの常識を変えていく必要がある。

そう思いますね。社員自らそれを実践しろというのは酷だと思います。まずは会社側で環境を整備していく必要がある。そうすれば徐々に、会社の後押しがなくても自主的に動き出す社員が出てくる。そういう社員=優秀な社員なんですよ。

そういうことです。もっとも、全員が全員そういう働き方ができるわけではないですから、社内ルールやマニュアルも必要なんですけど。自己管理できない人を自由にさせても、成果が上がらないどころか、ミスを連発して余計コストが上がったりするだけなので。

そして、何より重要なのは、そういう優秀な社員に「経営者が気付けるかどうか」なんですね。経営者自身が優秀でなければ、社員が優秀かどうかわかるはずもない。結局、そこが一番のキーになるんじゃないかな。

会社の経営状況によっては、お金やポストなどの外的報酬で応えられないこともあるでしょう。そういう場合も、「そこまで考えながら働いてくれて、本当にありがとう!」と伝えればいい。つまり内的報酬を与えるということです。

ああ、そうでした。外的報酬だけじゃなく内的報酬も大事なんでしたね。…ちょっとお話を聞いていて思い出したんですけど。私の息子が就職活動をしていた頃、大手の内定をもらっていたのにも関わらず、「害虫駆除会社に就職したい」って言い出したんですよ。

笑。その上でね、こんなアドバイスをしたんですよ。「会社に入ったら、どうやったら会社の売り上げが増えるのか、自分以外の社員がどうやったらもっと活躍するかを考えながら働くといい。そうすれば君は間違いなく出世するよ」とね。

ははぁ、まさに今日話していたような「優秀な社員」になるためのアドバイスですね。本来ね、そういうアドバイスを社内でし合うべきなんですよね。でもその大切さを、社員はおろか経営者自身も気付いてなかったりする。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。