人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第36回 自分の脳を「躾ける」ための発信

藤原さんのメルマガをもう長いこと愛読させていただいてるんですけど、「自らにストレスをかけてもそれが自分の好きなことであれば全く苦にならない」とよく書かれてますよね。

その視点は私の中にはなかったんです。新しいことを始めてもうまくいかないこともあるわけで、そうすると「時間もお金もかけたのに損したな」とか「あの時間は何だったんだろう…」と考えてしまうことがよくあって。

そうかもしれません(笑)。個人事業主って自分の時間を削って仕事をしているので、身銭を切っていく感覚に近いというか。でも藤原さんのメルマガを毎日読んでいるうちに、「もっとこの状況を喜ぶべきなんじゃないか」と思い始めて。それからはだんだんとポジティブに考えられるようになったんです。

いや、全然そんなことはないです。いろんな人と話をしたり本を読んだりする中で変化していったというか。ふと「人生を豊かで充実したものにするには、自分でその力を高めていく努力が必要なんじゃないか」と感じたんです。

今思えばそうなんでしょうね。そしてその力は適度なストレスによって、より高まっていくはずだと考えたんです。もちろん「自分の好きなことで」という条件がつくわけですけど。苦しいこととか面倒なことでも、自分が進化できるならむしろお得だなと。

ははぁ、なるほど(笑)。でも実際、誰かから見れば苦しくて面倒なことでも、本人はすごく楽しい場合がありますからね。例えば趣味で切手集めをしている人がいたとして、その人に「世界中の珍しい切手がコンプリートされたもの」をプレゼントしても絶対喜ばないじゃないですか。

ですよね(笑)。人生もそれと同じで、「面倒くさい」部分がコインの表裏のように「豊かさ」や「楽しさ」とセットになっているんだろうなと。まぁ、そう理屈で分かっていても、実際に商品開発をしている最中なんかは、どうしてもそう思えなくて苦しんだりもしましたけど。

いやいや、そんなことはないですけど(笑)。生みの苦しみというか、ある種のしんどさはありますよね。でもそのしんどさを乗り越えてできあがった商品を眺めている時には、「頑張ってよかったな」と充実感ももちろん感じられるわけで。

そうそう。でもそこに辿り着くまでにはいつも「こんな大変な仕事を引き受けてしまった」と、後悔にも似た気持ちになっていたんです。それがメルマガを読んでいるうちにスッとなくなっていたのがすごくありがたくて。

そうですか。それはめちゃくちゃ嬉しいです。私も今でこそ本心で「ストレスは必要だ」と思えてますけど、気持ちが変化していく過程では自分に言い聞かせていた部分もあったと思います。日々それを自分で検証しながら確信にしていったというか。

そうですね。安田さんと一緒にやらせていただいている商品開発にしても、いい意味での負荷はありながらも、そのプロセス自体に喜びを感じてますから。向き合える時間があることは素直に嬉しいですし、できあがった先には自分の能力が高まることが見えている。

そう考えられるのは、やっぱりさすがだなと思います。よくメルマガに「庭の草むしりが気分転換にもなって幸せな時間だ」と書かれてますよね。普通は草むしりが終わってホッと一息ついた時にようやくそういう気持ちになるのに(笑)。

そうそう。それが脳を躾けて藤原さんのような達人の域になると、草むしりをしている最中でも幸せを感じられるようになるんだなと。自分の理想の価値観が脳内にでき上がると、自然と幸せな瞬間が増えますもんね。

笑。藤原さんのメルマガの何がすごいって、内容もさることながら、やっぱり毎日配信されているところですよね。例えば1週間に1回の配信だったら、こんな風に私の気持ちが変化することはなかったと思うんです。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。