人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第5回 社長室は、本当に必要か?

意外に思われるかもしれませんが、ワイキューブ時代の私は、社長室を作らなかったんです。というか、社員全員が社長室のような環境で働く会社にしたかった。だからオフィス全体を社長室のような造りにしたんです。それで随分とお金を使ってしまいましたけど(笑)。

藤原さんはどうお考えですか? 「従業員満足度」という観点で考えたとき、社長室は必要だと思いますか?

社長室って、ある意味「壁」として機能してしまうんですよね。社長と社員の居場所を物理的にわけてしまうと、それだけコミュニケーションのハードルが高くなります。それに、互いの行動が見えないぶん、不審感につながるケースも多いんじゃないかなと。

それに、これは先ほどの言葉と矛盾するようですが、「互いの行動が筒抜けであればいい」わけじゃないんですよね。ガラス張りにしたからって、中で社長が遊んでばかりいたら、やっぱり社員は不満を抱くわけで。

笑。極端に言えばそういうことですよね。経営者がどれだけアンテナを広げていられるか、というのは非常に重要だと思います。もっとも、先ほどの話で言えば、社長室でマンガばかり読んでいる社長は評判が悪くなるでしょうけど(笑)。

そうでしょうね(笑)。そういえば、有名棋士の羽生善治さんが言っていました。「奥さんからはいつも自宅でボーっとしているように見えているだろうけど、私の頭の中は常に将棋のことでいっぱいなんだ」って。

そうですね。実際社長の仕事って、現在進行形の業務だけじゃありませんから。むしろ未来を決めることが経営者の仕事だと言える。そのために必要なアイデアや戦略って、むしろ別のことをしているときの方が思いつきやすいんですよね。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。