その31 やりたい vs もらいたい

もし前回までをお読みの方がいらしたらしつこくてすみません。

今の会社と会社員の関係は昔とだいぶん変わったっぽいけど
具体的にはなんだろうということで、
その昔、暗黙のうちにあった共依存的関係は消え去って、
ハラスメントはダメだし、サビ残もダメだし、
でも法律や契約は残るか強化されるかなので、
その結果、
「やりたいことがやりたい」が強調される世相の一方で
いまだに「給料だけがもらいたい」という人でもやっていけたり
するのではないかと。

「やりたいことがやりたい」派の人は、
たとえば転職サイトの広告でステレオタイプにストーリー化されています。
「やりたい、やる気は凄いある、成長もしたい。でも環境がさあ」
といって悩めるイケメンや美女へ
「じゃあ登録だけしときましょうよ」と結ぶアレ。

(凡人の転職目的は人間関係と収入の再ガチャではないのか)

一方、「給料だけがもらいたい」派の人は、
そう公言することはないにしても、
家族をはじめとする経済的動機だけは動かしがたく、
いつの間にか自分ファーストに生きる価値観を失った
仕事のモチベーションが強いとはいえなくなった、そこそこの年齢の方でしょう。

すなわち、
乱暴かつ大雑把に申し上げますと、
若い方が「やりたいこと」をモチベーションに労働市場に出てきて、
時間が経つうちに家庭をもったりなんかでだんだんライフステージ移動して
安定収入が目的に変わってくる、
最悪「使えないおじさん」に代表される層になる、
というグラデーションになっている。

わたくしは被使用者側で生きていますので
会社さんのことをあれこれいえる身ではございませんが、
労働というサービスを提供する側の
バックグラウンドがそんな流れであるのに対して、
一般的な会社の契約のカタチはやっぱりちぐはぐな感が否めません。

そもそも、こんなことをいっていいものかわかりませんが、
わたくし自身も自分が契約上提供しているサービスが
「シゴト」であるとは考えていません。

提供するサービスとして、一番近い言葉は「専従」だと思っています。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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