英VERDICTが選ぶ「2018年にビジネスを始めるならこの6つ!」を紐解いてみる(第1回)
著者:小出 紘道
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
前回までは、US(アメリカ)のBusiness News Dailyから、時流にあったビジネスアイデアを紹介し、日本市場でどのように応用可能か?を考えてきました。
今回は、UK(イギリス)の独立系ニュースサイトのVERDICTに、同様の2018年のビジネスアイデア系記事が掲載されていたので、紹介します。
一応VERDICTのキャッチコピー(サブタイトル)を紹介しておきます。
Making The World Easier To Understand
→世界をもっとわかりやすく!
VERDICT紙へのリンクはこちら
https://www.verdict.co.uk
イギリスの視点から見た世界情勢を、独自の切り口で伝える独立系ニュースサイト、と理解すればいいと思います。BREXIT(ブレクジット)のニュースに関しては、最も掘り下げて論じているニュースメディアの一つです。
ちなみに、Verdictという単語は、陪審員からの「評決」の意味合いです。世界で起きているあらゆるニュースに「評決」を言い渡して行くイメージですね、、、。なかなか横柄でいい感じのネーミングですw
今回の記事、ヘッドラインはコレ
These are the businesses you should start in 2018→2018に始めるべきビジネスはこれだ!
記事へのリンクはこちら
https://www.verdict.co.uk/businesses-ideas-2018/
VERDICTの編集チームの6人のスタッフが、1人1案で、計6つの有望なビジネスアイデアをあげていて、どれもなかなか示唆的なので、今日から3回に分けて紹介していきます。
もちろん前回までのコラム同様、日本国内のビジネスへの活かし方やアレンジを想定しながら深掘りします。また、要所要所で安田佳生さんにもアイデア出しをしてもらいます。
では早速。
VERDICT編集チーム案① Know your Carbon app:炭素量探知アプリ
一旦「炭素量探知アプリ」としておきますが、さすがUKというかなんというか、一言で言い表しにくい「ビジネスアイデア」で、他のビジネスアイデアの「粒度」もこんな感じですw 原文を意訳していったほうが早いので原文を抜粋して意訳します。
—原文
This year has seen a lot of steps forward in environmental policy (and a few steps back in the case of Trump’s stance on the matter.) But on the whole, people’s eco-conscience seems to be rising and you should cash in on it .→2017はenvironmental policy(環境政策)で随分前進があった(トランプのせいで少々後退もしたけど)。人々のeco-conscience(エコ意識)は高まり続けていて、この流れから利益を得られるはず。
エコ系ビジネスということですね。近年のエコ意識の高まりをどのようにマネタイズしていくのか?下記がVerdict紙のアイデアです。
—原文
People want to know where products are coming from and where they’re going to end up. So how about an app that lets you scan in your bottle of shampoo or microwave pizza packaging, and tells you the resources that went into producing it? Or perhaps how long it will take to decompose if left on a landfill site?→人々は製品が「どこから来て」最終的に「どこで破棄される」のか?を知りたがっている。だから例えばシャンプーボトルとか、チ ンするピザのパッケージとかをscan(スキャン)して、その原 料が「どこから来て」「どこで破棄される」のか、がわかるapp (アプリ)はどうだろう? landfill site(廃棄物埋め立て地)でdecompose(腐蝕・分解 する)のにどのくらいかかるか、もわかればいいね。
いわゆるトレーサビリティ系のアプリということですね。身の回りのものをSCAN(スキャン)して、それのFROM(出所)とTO(行き先)を知っておきたいという欲求が高まることを想定した商品展開ということです。
身の回りのものをSCANするという意味合いでは、本文中にもSazam(身の回りの音楽をスキャンして突き止めるアプリ)が、高額でエグジットできた(買収された)例をあげ、マネタイズの可能性を示唆しています。
この場合のマネタイズは、ユーザー課金とか広告収入というよりも、エグジットをイメージしてますね。こういうトレーサビリティ系のアプリは今後欧米の企業から、相次いで高額の買収オファーを受けるのではないか?ということです。
というわけで、「Know your Carbon app 炭素量探知アプリ」と書かれて「???」という感じですが、要するに「トレーサビリティアプリ作ってエグジット狙おうぜ」という案でした。
さて、どんな「トレーサビリティ系商品やアプリ」が日本で需要ありそうでしょうか?
考えてみましょう。
案A 空気を見える化するスキャナー(この空気があなたに合ってます)
日常的に周囲にあって「出所」は見えにくいが「トレースしたい」もの、かつ、直近の技術革新によって「スキャン」できそうなもの、といえば「空気」です。一時期ガイガーカウンター(放射能測定器)が話題になっていましたが、全方位的に「空気中の成分と含有物」をスキャンして見える化してFROMとTOをトレースできるスキャナーが欲しいです。
スキャンしたいのは「炭素量」「酸素濃度」「この空気はどこから流れて来たものか?どこで出来た酸素なのか?」「花粉含有量はどのくらいか?」「自分の田舎の空気との類似度は何%か?」「そもそも空気としての優秀度はどのくらいなのか?」「自分のDNAとフィット度が高い空気はどこか?」みたいなことです。
これがスキャンできると、「どこに住むべきか?」「どこで働くべきか?」という判断材料として、「自分に合った空気を吸える場所はどこか?」「優秀な空気をオファーしてくれる場所はどこか?」という数値が一般化されて、地価や都市の構造にパラダイムシフトをもたらすかもしれないですね。
もしかしたら、これこそが例の「地方創生」に繋がるのではないでしょうか?笑
案B ミニ気球に載せてマイクロチップを飛ばす(自分で自分をトレースしよう)
自分で自分をトレースするのはどうでしょうか?
1年に1つずつ、その年の総括でも目標でも写真でも動画でも音楽でもなんでもいいのですが、マイクロチップに入れて小型の気球(エコフレンドリーなやつ)に乗せて一斉に空に飛ばす感じです。
日本のどこかに落ちるかもしれないし、できれば遠くの外国まで飛んで行くともっと面白いのですが、それを当地でアプリで読み取った人からコンタクトがきたり、「いいね!」がもらえるイメージです。
飛ばした自分側はアプリでずっとトレースできて、気球に乗ってどこまで行ってどこで落ちたか、誰かが拾ってスキャンしたか?などがわかる仕組みです。
本当は超小型カメラが搭載できれば最高ですけどね。
外国に落ちたとしても、位置情報から文章は全てその国の言語に自動翻訳されれば意思疎通もできます。
で、数年後か数十年後にそのマイクロチップ(過去の自分)を辿って、スマホ片手に(その時はスマホなんて無いかもしれませんけど)過去の自分をトレースする旅に出る、というライフスタイルの提案です。
安田さんにも、どんな「トレーサビリティ系商品やアプリ」が日本で需要ありそうか?のアイデアを聞いてみましょう。