【GlobalPicks/vol.061】2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



2019年のマーケティングトレンドについてのForbes(←毎度の)記事を紹介しています。

2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド

<記事タイトル>
11 Trends That Will Shape Marketing In 2019
2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド
[https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2019/01/15/11-trends-that-will-shape-marketing-in-2019/#3f5bfd3836a6]

11のトレンドリストは下記の通りです。

1. A Bigger Role For AI In Personalization And Automation
2. Smart Speaker Advertising Opportunities
3. Growth In Content Marketing
4. A Turn To The Human Side Of Marketing
5. Integrated Online, Social And Mobile Marketing
6. The Growth Of Micro-Influencers
7. Audiences Made Part Of Brand Stories
8. Thought Leadership
9. Transparency As Key To Winning Customers
10. Quality Trumping Quantity In Marketing
11. Customers Empowered As Brand Ambassadors

先週に続きどんどん見ていきます。

7. Audiences Made Part Of Brand Stories

audience(オーディエンス) がブランドストーリーの一部を形づくる

—原文
The ability to engage with audiences will have a huge impact. The less friction there is to engagement, the more connected people feel. 

audience(オーディエンス)と「握る」 ことができれば、大きなインパクトがあるだろう。 エンゲージメント(顧客との握り)にfriction( あつれき)が少ないほど、 顧客とブランドがよりconnected(繋がっている) と感じてもらえる

何言ってんだか、、、という感じですね。曖昧すぎて。。audienceというのは「広告の対象者」のことです。なので、広告段階で、ターゲット顧客と「ブランドについての物語」でengagementがあると上手くいきますね、という話です。

engagement(エンゲージメント)というのは「ブランドとの繋がりの強さ」のことです。
よってaudienceとの「繋がりの強さ」とは、「広告の段階でブランドとどのくらい繋がってくれているか?」ということに着目しているということですね。

web広告でいうと「facebookの動画広告を●秒以上見た人」みたいなのが、engagementの指標になりがちです。

「8. Thought Leadership」は、「7. Audiences Made Part Of Brand Stories」とネタが被っているのでスキップします。

9. Transparency As Key To Winning Customers

Transparency(透明性)こそが、 顧客を勝ち取る鍵になる

記事自体はそれほど面白くなかったので、ここでは私見をふんだんに入れて、企業やブランドがユーザー(消費者)に提示するTransparency(透明性)について考えてみたいと思います。

「Transparency(透明性)が高い程、よいコミュニケーションだ」

これは「正」だと思います。まあそうですよね、あんまり異論が無い。

で、僕思うんですげ、この「Transparency(透明性)」の正解が最近「変わってきているな」と思っているんです。

例えば、ブランドや企業にまつわる10個の「事実」があったとします。

「消費者に知ってもらいたい都合の良い事実(→○の記号)
「消費者に知られたくない不都合な事実(→●の記号)

その10個の事実関係が
◯◯●◯●●◯●◯●
だったとします。都合の良い事実が5つあり、不都合な事実が5つ、ですね。

これ、従来のコミュニケーションだと、
◯◯隠◯隠隠◯隠◯隠 →隠は「隠しておいて伝えない」というマーク
のように、●をカットして◯だけを伝えるコミュニケーションでした。
「コミュニケーション心理学」的には、「一面提示(良いところだけを提示する」と言います。

こうした一面提示型のコミュニケーションは、「Transparency(透明性)が低くてけしからん!」と断罪される世の中になってきています。

じゃあ、
◯◯●◯●●◯●◯●
のままコミュニケーションするのが良いのか?
というと、それは「ただのぶっちゃけ」になるので、ブランド価値を「毀損」します。
ぶっちゃけ型が「ブランド価値を毀損する」ことを定量的に証明した分析もあるので、やめておいたほうがいいですね。

「Transparency(透明性)が高い」とは、「ただのぶっちゃけ」とは別のことを指しているわけです。

「Transparency(透明性)が高い」とはこういうことです。

◯◯隠◯●隠隠◯◯●
「都合の良い事実はすべて」伝えて、「都合の悪い事実の中のいくつか」を伝える、のが、「Transparency(透明性)」の新しいグルーバルスタンダードです。

さらに、実際に僕たちがマーケティングやコンサルティングの現場でやっている「一例」を、お伝えすると、、、

さっきの◯◯●◯●●◯●◯●な事例だと
不都合な事実→●●●●●
が5つありますので
事実●1 事実●2 事実●3 事実●4 事実●5
というように分解しますね。

で、audience(広告を見る人)、customer(買ってくれる人)、royal user(すごい使ってくれる人)にとって、「不都合だけど決定的な忌避要因にならない●」を見つけ出します。
「まあ●は不都合だけど、そのブランドと決別する決定打にはならないよね」という●を探すんです。

で、その●(伝えても決定打にならな不都合な事実)が「事実●2と事実●5」だった場合に

◯◯隠◯●隠◯隠◯●

という打ち出しをする、ということです。
「コミュニケーション心理学」では、「両面提示(悪いところも提示する」と言います。

「どの悪いところ」なら提示してもダメージが少ないか?
というダメージコントロールの概念ですね。
上手くダメージコントロールすれば「正直にさらけ出してくれる透明性の高い信頼できるブランド」という評価を獲得できます。

「透明性の高さ」を演出することで「信頼」を獲得する、という手法ですね。
現代の「Transparency(透明性)」とは、「正直さ」や「ぶっちゃけ」とは別の次元に昇華されてしまった「見せ方の戦略性」のことなのです。
いかに「透明っぽく見せるか(本当は透明じゃないけどね)」という戦略性。

なお、Transparencyの読み方は「トランスパレンシー」でOKです。


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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