【GlobalPicks/vol.072】2020-2030年に有望なビジネスアイデア15個

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



先週から、Entrepreneur Journal Reviewという、 かなりマイナーな起業系サイトを取り上げて、2020- 30年に有望そうなビジネスアイデアを紹介します。

今回の記事はこれ

The Top 15 Future Business Ideas For 2020-2030
https://www.webmarketing123.com/future-business-ideas/

2020-2030年に有望なビジネスアイデア15個

最初に15 個をリストにしておきます。

1 Marriage Counseling And Therapy
2 Marijuana Cigarette Manufacturing
3 Grow Meat In A Lab
4 Vertical Farming
5 Control The Water
6 Solar Power
7 Start A Food Truck
8 Car Sharing Business
9 Asteroid Mining
10 Car Charging Stations
11 Robotics
12 Box Subscription Services
13 Wind Energy
14 3D Printing
15 Veterinarian Businesses

では、早速みていきます。

3. Grow Meat In A Lab
研究所で作られた「肉」

—原文
Livestock farms are actually a pretty huge burden on the environment, as they demand large amounts of feed and water to be successful.
They also cause an incredible amount of waste and pollution.
One of the solutions that modern science has come up with is lab-grown meat.


畜産農場は実際のところ、飼料や水を大量に使うので、環境負荷が高い。
さらに、ゴミと汚染にもつながる。
科学的な解決方法としては、ファームではなくラボで肉を生産することだ。

最近「環境配慮」の視点と「動物愛護」の視点から、動物の肉ではなく「人工肉」もしくは「代替肉」に注目が集まり始めています。

「人工肉」は、STEM細胞(幹細胞)から科学的に生成された「本物と同じ肉(ただし動物として育っていない肉)」のことで、ここにビジネスチャンスがある、と主張しているのが本文です。

実際は、ビジネスとして盛り上がりつつあるのは、もう一方の「代替肉」の方で、アメリカでは「植物性タンパク質」で作った肉でハンバーガーを作る「ビヨンドバーガー」と「インポシブルバーガー」が話題になっています。

ビヨンドバーガーを作っている「ビヨンド・ミート社」は、先日アメリカのナスダック市場に上場してめちゃくちゃ盛り上がりましたね。ビル=ゲイツとかレオナルド=ディカプリオも株主のようです。

「ビヨンドバーガー」と「インポシブルバーガー」が、「モスバーガー」くらいの市民権を日本で獲得するまでに、5年はかからないと思います。

次行きます。

3. Vertical Farming
垂直農法

-原文
It’s all about maximizing the amount of food you can grow in a small area.
And vertical farming could be the best way to get around that problem.
Instead of growing crops flat on fields, farmers grow upwards, stacking plants on top of each other to get the most out of their space.

農業の課題は、小さなエリアで生産できる食料の総量を最大化することにあります。Vertivcal farming(垂直農法)こそが、この問題への最適解になり得ます。穀物を平らな地上で育てるのではなく、上方向に階層的に農場を展開しけば、空間の最大有効活用が出来るのです。

これは、写真で事例を見たほうがわかりやすいです。

理想的な完成形イメージはこんな感じのようです。
最終的には、居住用&ビジネス用のビルとの一体型農場がイメージされています。

現在実装されている現状ではこんな感じ
今のところ「屋内型」「屋上型」が主流なようです。

世界的にそうですが、巨大都市はどんどん巨大化し効率化されていく一方で、地方は衰退していきます。でも、一般的には農業という分野においては「地方」にこそチャンスがある(土地の優位性)わけです。

そういう視点で「都市 vs 地方」を見ると、一般的なビジネスの優位性は「都市>地方」なのですが、農業分野の優位性で「都市<地方」となることで、都市と地方が「かろうじてギリギリの均衡(イコールではなくあくまでもバランスですが)」を保っているのが「いま」です。
ところが「近い未来」には、Vertical Farmingによってその「ギリギリの均衡」も崩されて、農業においても「都市>地方」となりかねない、ということが極論できます。

原理的には「商品は、最終的に消費される場所の近くで生産・製造されたほうが品質的にもコスト的にも優位」ですので、農産物すら大都会で生産されることが「合理的」です。テクノロジーは「合理的」なシチュエーションの「味方」をしますから、Agri-Techとか、Agriculture 3.0ともてはやされている農業の未来化は、地方ではなく都市の効率化をさらに後押しするだけで終わるのかもしれませんね、、、。

と言う訳で、専門外から素人が知ったかぶりを決め込んでみました〜。

あ、忘れてました。ビジネスアイデアですね。

早晩こうしたVertical Farmが政令指定都市サイズの大都市に作られるでしょうから(←推測です、はい)、このVertical Farmを「建築物」「植物園」「テーマパーク」の複合施設として「運営」できるように、「Vertical Farmを複合施設として運営することを専門とした会社」を法人登記しておいてはいかがでしょうか?

webサイトくらい作って、将来の協業事業者を募っておけば「随分早くからVertical Farmの複合施設運営に目をつけていた会社」として、少なくとも「記録」には残ることでしょう(笑)

なお、実際にVertical Farmを「建築物」「植物園」「テーマパーク」の複合施設として「運営」している、と言うイメージに世界で一番近いのが、ご存知の方もいるかと思いますが、シンガポールのマリーナベイサンズの裏手に広大に広がる「Gardens By The Bay(ガーデンズバイザベイ)」です。
なお、農作物の出荷はしていないと思いますので、実際はFarmではありません。

リンク載せておきます。
https://www.gardensbythebay.com.sg

写真も参考までに。


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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