【vol.204】HR領域の2022年のトレンド「ダイバーシティ&インクルージョン」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、2022年最初のテーマとして「HR領域の2022年のトレンド」を取り上げています。
シンガポールと香港で有名「らしい」HRのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

HR in 2022: 7 key trends that will affect employee experience (and how to address them)
従業員エクスペリエンスに影響を与える7つのキートレンド(2022年のHR)
https://www.humanresourcesonline.net/hr-in-2022-7-key-trends-that-will-affect-employee-experience-and-how-to-address-them

7つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: ‘New Work’ will manifest in new and unexpected ways
Trend #2: The talent war is quickly becoming a ‘zero-sum’ game
Trend #3: Employee mental health and resilience will propel growth
Trend #4: HR will become decentralised, spurring new management skills
Trend #5: Diversity & inclusion will be a major competitive differentiator
Trend #6: People analytics will fuel buy-in for HR policies and change
Trend #7: New productivity KPIs will be needed to assess employee performance

先週に引き続き、トレンドを読み込んでいきます。

Trend #5: Diversity & inclusion will be a major competitive differentiator
Diversity & inclusion(ダイバーシティ&インクルージョン)が競争上の大きな差別化要因となるだろう

According to McKinsey, companies in the top quartile for gender diversity in leadership were 25% more likely to have above-average profitability than their bottom-quartile counterparts. Unfortunately, many organisations are yet to fully invest in diversity & inclusion (D&I) as a key cultural as well as operational tenet.

マッキンゼーによると、経営層の性別の多様性が大きい上位1/4の企業は、性別の多様性下位1/4の企業よりも「平均以上の収益性」を実現できている可能性が25%高かった。
残念なことに多くの企業では、文化的にも運営的にも未だに「ダイバーシティ&インクルージョン」に完全な投資ができていない。

日本でも数年前くらいから、diversity & inclusion(D&I)というワードが急激に登場回数を増やしました。
コロナ禍でdiversity & inclusionの流れは一瞬「反転」しかけました。これは、日本民族の“単一性と非内包性・非受容性”という、diversity & inclusionとは反対の概念がまさに「効果的なパンデミック対策」として活用されたからでしょう。
ですので、Postコロナの日本は、再びdiversity & inclusionの大きなうねりに飲み込まれると思われます。

こうした流れの中で、HRが注力すべき2つのポイントが示されています。

1.Communicate the D&I agenda to all layers of the organisation
D&I というアジェンダを組織の全ての階層の従業員に伝える

「自社がD&I を推進しているよ」というメッセージは、意外にも従業員には伝わってないことが多いので、明確にメッセージとして方針を隅々まで伝達する必要がある。そのことこそがHR部門の重点課題だ、ということですね。

2.Lead by example when it comes to D&I
D&I に関する実例を見せる

HR部門が、マネジャーを採用したりトレーニングする時に、D&I の概念を取り入れて、実際に模範をしめすことが重要だということですね。

さて、D&I のDの方(Diversity)は随分と浸透してきた概念だと思うのですが、相方のIの方(Inclusion)の方は、まだまだ浸透していない気がします。
Diversityが「多様性」という意味合いで、Inclusionは「受容」という意味合いです。
何を「受容」するのか?というと「多様性」を受容する、ということになります。
よって、Inclusionというのは“多様”なバックグラウンドや価値観の人達を「内包」「受容」し、互いを認め合いながら「成長」していく、という概念となります。
「企業の成長のためには、多様性を内包・受容するのが最強」、ということです。

「多様性を内包・受容するのが成長にとって最強」だとすると、単一性と非内包性/非受容性を“強み”としてきた日本という国家の成長戦略は「最強」とは対局に位置するのかもしれません。。。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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