【vol.258】2023年のソーシャルメディアのトレンド(グリーンハッシング)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き「2023年のソーシャルメディアのトレンド」をピックアップします。

今週の記事はコレ
11 social media trends you need to know in 2023
2023年に知っておくべきソーシャルメディアの11のトレンド
(https://sproutsocial.com/insights/social-media-trends/)

Sprout socialというUSの会社が寄稿している記事が勉強になったので、11のトレンドをリスト化します。

1. “Edutainment” content will rule
2. Businesses will put more money behind video production
3. BeReal will be a turning point for brands
4. Businesses will experiment with emerging (and re-emerging) networks
5. The creator economy will continue to blossom
6. Employee advocacy will be the social media trend to talk about
7. How brands talk about sustainability will change
8. Social customer care will become a vehicle for surprise and delight marketing
9. Social and legal will be the strategic duo no one saw coming
10. Social commerce will get up and dust itself off
11. We’ll see exciting metaverse brand activations

 

今週は「7」を見ていきます。

7. How brands talk about sustainability will change
(ブランドがサステナビリティについて語る方法が変わる)

For the past few years, brands have proudly disclosed their environmental sustainability goals to meet the interests of conscious consumers.
Now, many are opting for a quieter approach.
This practice— known as “green-hushing”—comes as a response to fears of being called out for greenwashing. Numerous nonprofit watchdog organizations are dedicated to calling out faux-sustainability claims. Overstating your brand’s practices can land an entire business in hot water.

ここ数年、ブランドは意識の高い消費者の関心に応えるため、環境サステナビリティのための目標を誇らしげに開示してきた。
しかし今、多くのブランドが、より静かなアプローチを選択しつつある。
これは「グリーンハッシング」と呼ばれ「グリーンウォッシュ」と呼ばれることを恐れての行動である。
多くの非営利の監視団体が、偽装されたサステナビリティの主張を指摘することに熱心で、各ブランドがサステナビリティの実践を誇張することは、そのビジネス全体を窮地に陥れることになりかねない。

今回の話は「green-washing(グリーンウォッシュ)」の対義語(対義的概念)としての「green-hushing(グリーンハッシュ)」の話です。

green-washingについては、過去の記事でも触れたので、そこから引用します。
※SDGs-washingとgreen-washingは同義です。
https://brand-farmers.jp/blog/gp_252/

今回は「いつか役に立つかも英単語」として、「SDGs Washing(SDGsウォッシュ)」を取り上げたいと思います。
この、SDGs Washingこそがまさに先ほどの「サステナビリティ(環境保護などの)に関する“見せかけの活動”」を指します。
企業のHPなどでも「根拠が無い」にもかかわらず、「弊社は持続可能性な社会に貢献できるように取り組んでいます」みたいなPRが散見されますが、多くの場合、これらはSDGs Washingです。

上記のような「green-washing」に対して、NPOの監視団体が常に目を光らせていて、虚偽のサステナビリティや誇張のサステナビリティ「広告」をする企業に対して、容赦ない非難とエビデンスを突きつけるようになってきました。

こうした状況の中で、企業・ブランド側は「敢えて控えめなサステナビリティ主張にとどめたり、サステナビリティ活動を表に出さなかったり」という態度に出るようになったのです。
これが「green-hushing」の概念であり、今年のホットトレンドだと言うことです。

「あのブランドって全然広告してないのに、実は陰でサステナビリティ活動をちゃんとやってるんだね」
というストーリーが勝手にユーザー側によって「見つけ出される」のが、今年のSDGs文脈ブランディングの「勝ち筋」という話でした。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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