【vol.268】2023年のHRトレンド(オフィスの未来)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、人事・組織領域で「2023年のHRトレンド」についての記事を
Forbesから引っ張ってきています。

今週の記事はコレ
Top Ten HR Trends For The 2023 Workplace
2023の職場で見られる、HRのトレンドトップ10
(https://www.forbes.com/sites/jeannemeister/2023/01/10/top-ten-hr-trends-for-the-2023-workplace/?sh=6cdba04f5933)

トップ10のリストは下位の通りです。

1. Employee Well-Being Is A Human Imperative
2. Skills-Based Hiring Is On The Rise As Companies Recruit For Potential Rather Than Degrees
3. The Future Of Work Is Flexibility For All Employees
4. Hybrid Learning Will Force Companies To Re-Invent Their Brick-And-Mortar Corporate Academies
5. ESG Reporting Will Expand Beyond Compliance To Attract Talent
6. Human Skills Are The New Hard Skills For The Future Of Work
7. Hybrid Working Is Here to Stay and Success Starts With Defining It
8. The Future Of The Office Will Be To Bring The Off-Site Vibe On-Site
9. Humans And Bots Create A New Blended Workforce
10. HR Burnout Is A Crisis That Needs To Be Addressed

 

今週は「8. The Future Of The Office Will Be To Bring The Off-Site Vibe On-Site」を読んでみます。

8. The Future Of The Office Will Be To Bring The Off-Site Vibe On-Site
(オフィスの未来は、オフサイトの雰囲気をオンサイトに持ち込むことにある)

Recent research from Microsoft based on 122 billion email exchanges and 2.3 billion meeting interactions shows interactions with employees’ immediate teams and close networks strengthened during remote work, but, the interactions with secondary networks are shrinking. This is leading to missing moments of innovation and a need to provide employees with a reason to return to the office.

マイクロソフトが1220億通のメールと23億回の会議でのやりとりに基づいて行った最近の調査によると、リモートワークでは、従業員の直属のチームや親しいネットワークとのやりとりは強化されるが、二次的なネットワークとのやりとりは縮小する。そのため、イノベーションの瞬間が失われるので、従業員にオフィスに戻る理由を示す必要がある。

このマイクロソフトの分析は注目に値しますね。
これだけ大量のデータに基づいているので、おそらく下記は事実なのだと思います。

・リモートワークは近しいチームメンバーとのやりとりが強化される
・それ以外の周囲とのやりとりは縮小する
・よってイノベーションは失われる
・上記の理由から「オフィスに戻らなければならない」
・しかし、完全にオフィスワークに戻すことは、時代と従業員の要請に逆行しかねない

なので、ハイブリッドワークに適した「オフィスの在り方」が重要になって来て、毎日全員が出社するわけでは無いことを踏まえると、オフィスの仕様そのものが変わってくるようです。

“This is already happening,” says Kirschner, “as a growing number of heads of real estate are reporting to CHROs and innovative uses are being found for excess space which include turning them into collaboration spaces for employees and spaces to hold community events.”

これはすでに起こっている動きである 、とKirschnerは言う。
不動産部門の責任者がCHROのレポートラインに入り、余ったスペースを従業員のコラボレーションスペースやコミュニティイベントを開催するスペースに変えるなど、革新的な利用法が見つかっている。

「ハイブリッドワークによって出社回数自体は減少する」中で、社員を「オフィスに戻らせ」て、かつ「イノベーション」の機会を創造するために、余剰スペースの活用がキーになってくるようです。

今回の記事で個人的にも「まさにそうだ」と思ったポイントは次の点です。
リモートワークで「チーム内のコミュニケーションが活発化」した反面、「イレギュラーかつ突発的なチーム外とのコミュニケーションは激減した」という点です。
記事で言われているように、それが「イノベーションを阻害しているかどうか?」という点については、「よくわからないけど、言われてみたら確かにそうかもね」という感じでした。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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