今週は!
取材先の奈良に向かう新幹線車中で
このブログを書いています。
奈良と言えば
私のなかで真っ先に
思い浮かぶのは
法隆寺の百済観音なのであります。
飛鳥時代につくられたことこそ
わかっているものの
謎に満ち、数奇な運命を辿った
この仏像に出会ったときの
感覚をどのように表現したらよいか。
私は全身の神経という神経を
びりびりと震わせたまま重力を奪われ
観音像とともにふらふらと
虚空を彷徨っていたのでありました。
以来、私はこのときに感じた
いわば魂の震えを鳥肌度5として置き、
その後の美術・芸術作品を
鑑賞する際の基準とすることにしたのです。
ちなみに百済観音以降、
鳥肌度5を感じた作品としては、
ダ・ヴィンチの『受胎告知』、
フェルメールの『デルフト眺望』、
マチスの『金魚』(プーシキン美術館)
があります。
さて今生を去るまでに
私はあと何回の鳥肌度5を
味わうことができるでしょう。
人によって対象は異なれど、
つまるところ、
それが生きてるってことの
意味なのではないかと
勝手ながらに
私は思っているのです。