変と不変の取説 第88回「オンライン場活の未来」

「変化だ、変化だ、変化が大事だ」とみなさんおっしゃいますが、会社も商品も人生も、「変えなくてはならないもの」があるのと同様、「変わらないもの」「変えてはならないもの」もあるのです。ではその境目は一体どこにあるのか。境目研究家の安田が泉先生にあれやこれや聞いていきます。

 第88回「オンライン場活の未来」

前回、第87回は「人はウイルスを克服できるのか

安田

リアルな研修が復活してるそうですね。

はい。動き出してます。

安田

それは大企業で?

私がやってるのは大きい会社ですね。保険会社さんです。

安田

へぇ~。大企業って慎重そうなイメージですけど。

フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションがベースの会社なので。

安田

なるほど。リアルな接触は避けて通れないと。

ホテルとかもそうで、フェイス・トゥ・フェイスを否定してしまうと会社の業態がなくなっちゃう。だからチャレンジングに細心の注意を払ってやるっていう。

安田

二極化していくんでしょうね。人と接触することを極端に避けようとする人と、やっぱり人との触れ合いが大事だと判断する人と。

そうなりつつあります。

安田

泉さんはどちらに進もうと思ってるんですか?リモートですか。リアルですか。

私は両刀方面ですね。

安田

両刀方面?

オンラインのコミュニケーションがあるからリアルが生きる。リアルのあとは離ればなれになっちゃうので「またオンラインでつながる」という両刀が必要。

安田

リアルとリモートが融合するイメージですか?

はい。リアルは絶対になくならないですから。

安田

最近はリモート飲み会も流行ってますけど。

流行ってますけどリアルはなくならないですよ。

安田

確かに飲食にはリアルが欲しいですよね。でも仕事の場合は「オンラインで十分」って気もします。

私の感覚も近いですね。遊びのほうがよりリアルが求められる。

安田

やっぱそうですよね。

動物的な部分はリアルのほうがやっぱりいいですね。一緒に遊んだり、ハイタッチしたり、一緒にワーッと応援したり。ああいうのはリアルで一緒にみんなでやったほうがいい。

安田

仕事の打ち合わせとか、何かを決める会議とかってZoomで十分じゃないですか。

はい。十分ですね。

安田

よけいな気を遣わなくていいし。

そうですね。必要なことだけさっと済ませて。

安田

そういえば泉さんは「Zoomでも場活ができる」って噂を聞いたんですけど。

はい。できます。

安田

場活ってリアルじゃないと、ものすごくやりにくい感じがするんですけど。

できちゃうんですね、これが。

安田

へえ〜。どうやってやるんですか?

全員の意識というか感覚を集めてくるような感じ。

安田

感覚を集める?

一人ひとりが感じてる世界を全員で共有していく。するとオンラインなんだけど、そこに「ひとつの意識体」みたいなのができるんですよ、全員の。

安田

どうやって共有するんですか?

私が土台をつくった上に、みんなで肉付けしてもらう。それぞれの人の強みで発言してもらう。するとこのメンバーだけの集合意識体みたいなのができる。

安田

それはリアルな場活でやってるのと同じ手法ですか?

はい。ベースはリアルでやってることです。

安田

リアルでは全体の空気みたいなのをつくっていくじゃないですか。あれに近い?

近いですね。それをオンラインでやってる感じです。

安田

そうなるとやっぱり、リアルに比べて場の温まり具合はどうしても「下がるんじゃないか」って想像してしまうんですが。

ベースは同じなんですけど場のつくり方は別物です。独特のものができます。

安田

へえ。どう違うんですか。

陸上で走ってたものをプールの中で同じようにはできないから。陸上の遊びと水の遊びって違うじゃないですか。あんな感じ。違う種類の世界ができるっていう。

安田

なるほど。前に早く進むという目的は同じだけど、体の使い方から何から変わるってことですね。

はい。やり方が違うんですよ。面白さから何から変わる。

安田

興味深いですね。これまでに何回ぐらいやったんですか?

この2か月半で40回やりました。

安田

えっ、それは全部Zoomで!?

はい。

安田

すごい数ですね。

ひとつは実験の意味合いもあって。新しく何ができるかなってチャレンジしてます。もうひとつは普段会えない人たちと、この機会に会おうと思ったので。

安田

確かにZoomなら会えますね。

普段は「距離が離れてる」「しょっちゅう会えない」って人たちと、ちゃんと一緒にやりたいと思って。距離を超えてどこまでオンラインで場活ができるかというチャレンジ。

安田

これまでは泉さんが日本中を飛び回って場活してましたけど。限界ありましたよね。

はい。結構大変でした。

安田

Zoom場活ができちゃうんだったら、その限界を超えられるんじゃないですか?

そうなんですよ。いろんなところにひょっこり現れやすくなったので。

安田

一気に場活が広がるかもしれませんね。

場活を勉強したい人って世の中にたくさんいるので。これを機にコミュニティ学習ができるようにしていきたい。

安田

コミュニティ学習?

いままでは「先生がいて、生徒がいて」みたいな感じだったんですけど。お互いが学び合えるのがコミュニティ学習。そのきっかけになるものを提供しようと思ってます。

安田

具体的にはどういうものなんでしょうか?

手始めにムービーをつくりました。動画コンテンツですね。

安田

場活の動画ってことですか?

『場活極意伝』っていう動画で。結構いいのができちゃったんですよ(笑)

安田

その動画を見たら場活ができちゃうってことですか。

そうです。動画を見たら場活ができちゃう。

安田

ということは泉さんの役割を動画がやってくれる?

そうです。

安田

すごいですね。

想像以上にいいものができちゃいました。第1巻は80分ぐらいなんですけど。2巻3巻4巻と作っていきたい。

安田

どういう仕組みになっているのですか?

第1巻がオンライン学習のパスポートにもなっていて、学習コミュニティに入って、 継続学習ができるようになっています。

安田

第1巻はどんな内容ですか?

私が登場して場活の説明をしたあとに問答をする。安田さんと私みたいな掛け合いをやるんですよ。

安田

掛け合いですか。

はい。その後に「うまくいったで」「うまくいかなかったで」みたいな事例がでてきて、私が解説を入れる。

安田

面白そうですね。

はい。7月10日にスタートしましたのでぜひ見てください。

※動画第1巻の詳細はこちら↓
http://horizonworks.co.jp/page-399/


場活師/泉一也と、境目研究家/安田佳生
変人同士の対談


| 第1回目の取説はこちら |
第1回:「変わるもの・変わらないもの」
長い間、時間をかけて構築された、感覚や価値観について問い直します。

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