変と不変の取説 第89回「離れる人類・近づく人類」

「変化だ、変化だ、変化が大事だ」とみなさんおっしゃいますが、会社も商品も人生も、「変えなくてはならないもの」があるのと同様、「変わらないもの」「変えてはならないもの」もあるのです。ではその境目は一体どこにあるのか。境目研究家の安田が泉先生にあれやこれや聞いていきます。

 第89回「離れる人類・近づく人類」

前回、第88回はオンライン場活の未来

安田

日本のコロナ対策が手のひら返しにあってますね。

手のひら返し?

安田

最初の頃は「失敗だ」って言われて。でも今では「日本はかなり成功したモデルだ」とまで言われてます。

ああ。海外での話ですね。日本は重傷者も死者数も少ないので。

安田

そうなんです。「あれはBCGを打ってるからだ」っていう人がいるんですけど。本当ですかね?泉さんはどう思います。

私は「まだ解明されてない免疫」を持ってるような気がしますね。

安田

それは日本人が?

日本人を含む多くのアジア人が。

安田

へぇ~。歴史的なものが影響してるんですか。生活スタイルとか。

はい。そう考えてます。たとえば日本人だけが生の海苔を消化できるんですよ。

安田

え!他国の人は消化できないんですか?

他の国の人は、生の海苔を食べたら全部うんこになって出てくるっていう。

安田

なんと!そうなんですか。

はい。日本人だけがその消化酵素を持ってるんですよ。

安田

へぇ~。

それは歴史的にずっと海苔を食べる文化があったから。だんだん体がそういうふうに進化というか変わってきたわけですよ。

安田

じゃあ、それと同じようなことがコロナでも起こってると。

その可能性があります。たとえばコロナに似たウイルスに晒される機会が多くて、だんだん体がそういう免疫を持ち始めたとか。だから重症化しにくいのかも。

安田

じゃあ、BCGはあんまり関係ない?

専門家ではないのでBCGについてはわからないです。「何か知らない免疫が歴史的に身についていたんじゃないか」というのが私の仮説。

安田

「日本人は民度が高いからだ」って麻生さんは言ってましたけど。そういうのは関係ないんですか?

関係ないんじゃないですか。

安田

みんなマスクして自粛してるから「広がらなかった、死ななかった」ってわけじゃないと。

そう思います。

安田

もともと肉体に何かがあると。

肉体に何かがあるような気がしますね。

安田

まあそうですよね。いくらなんでも死者の割合が少なすぎっていう。

はい。

安田

ということは中国や韓国も似たような免疫を持っている可能性が高い?

そう思います。何千年、何万年かかけて、何らかの免疫を身につけたんじゃないかと。

安田

それをわかった上で「中国がつくったんじゃないか」とも言われてますけど(笑)

そういう都市伝説もありますね。でもさすがに、それはないないんじゃないですか。

安田

そんなものをつくれるぐらいだったら苦労しないと。

そう思います。もしバレたらえらいことになっちゃうし。

安田

終わりですよね。世界中で大ひんしゅく。

国が終わっちゃうので。

安田

さすがにそんなことしないと。

そんなリスクは負わないと思います。

安田

アメリカの経済が崩壊したら中国も痛いですもんね。

そうですよ。

安田

でも、これだけうまく抑え込んでても、日本人って戦々恐々としてますよね。マスクしないと死ぬぐらいの勢いで。自粛警察まで出てきて。

マスク外して道を歩いてるだけで白い目で見られます。

安田

人混みだったらわかるんですけど。私もエレベーターとか、電車に乗るときとか、スーパーに入るときとかはマスクしますから。

私もそんな感じですね。

安田

屋外でまわりに人がいないときは、マスクをする気持ちにどうしてもなれなくて。

あんまり意味ないですよね。

安田

はい。「人にどう見られるか」のためにやってる感じ。みなさんは予防効果を信じてやってるんですかね?

信じてるんじゃないですか。

安田

へぇ~。「これでコロナを防げてる」みたいな?

いろんなものから守ろうという防衛意識が強いんですよ。

安田

もし泉さん説が正しいとしたら、今回はたまたまアジア人が免疫を持ってたってことになりますよね。

そういうことになりますね。

安田

じゃあ次に“新・新型”コロナが出てきたときは、逆にアジア系だけが免疫を持ってないって可能性もあるわけですか?

あるでしょうね。でも、こういうウイルスって、だいたいアジアから出るじゃないですか。

安田

日本に上陸してくるやつはそうですね。アフリカ発祥の病気もいっぱいありますけど。日本にまでくるケースは少ないです。

だから次のもアジア人には免疫がありそうな気がします。

安田

でもスペイン風邪みたいなのもありますよ。ペストとか。普通の人が世界中を旅行するようになりましたし。

スペイン風邪のときは「戦争」がトリガーになって広がっていったんですよ。

安田

へぇ~。

まあグローバリズムで疫病が流行りやすくなってるのは確かですね。

安田

人間が増えすぎて「地球が抱えきれなくなって」淘汰されてる気もします。

そうですね。私もそんな感じがします。

安田

移動もすごいじゃないですか。今やものすごい数の外人さんが日本にまで来ますから。

来てますね。地球の裏側からも。

安田

人間が頻繁に行き来することで地球に負荷がかかってるとか。

自然界の法則ではだんだん交ざっていくんですよ。そういう意味ではずっと交流が続いていくんじゃないですかね。

安田

でも自然界にはない、驚異的なスピードで人間が行き来してますよ。

そうですね。

安田

本来の移動距離とか移動スピードを超えちゃってる気がする。

でも止められませんよ、これは。

安田

ということはどんどん混ざっていくと。

もともと人類って、世界中に広がったことによって、ひとつになりにくくなったんです。距離が離れたことによってバラバラになって、民族ができて、国ができて、戦争して、みたいな。

安田

移動が頻繁になれば、またひとつにまとまっていくと。

簡単に行き来できるようになれば、心理的にも物理的にも近くなるので。また変わってくるんじゃないですか。

安田

でも今回のコロナで人の移動が止まっちゃいそうですけど。バフェットさんも航空関連の株を全部売ったそうですし。「人間はこれまでのようには世界中を移動しなくなる」って。

今回みんなで同じ苦しみを経験したのは大きいですよ。心理的距離がぐっと近づいたと思う。物理的距離は離れても、心理的距離が近づくことで新しい社会ができるんじゃないでしょうか。


場活師/泉一也と、境目研究家/安田佳生
変人同士の対談


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第1回:「変わるもの・変わらないもの」
長い間、時間をかけて構築された、感覚や価値観について問い直します。

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