第27回「ペット関連発明から見る病気予見のミライとは?」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 27  ペット関連発明から見る病気予見のミライとは?

テレワークが当たり前になり、人との触れ合いが大きく減っている皆さん!
ぬくもりを求めてペットを飼い始める人が増えているようです。その一方で、ペットの健康管理や治療費に悩んで飼育放棄をする人もいるとのこと。
でも、この発明があれば病気の早期発見が可能になり、元気なペットとの生活を満喫できますよ!


特開2019-071896号(出願人:株式会社ハチたま)
【発明の名称】ペットの排泄通知システム
【要約】ペット用トイレに入った一匹のペットを特定し、病理の兆候可能性がある場合にアラートを通知する排泄通知システム


猫は世話の必要が少なく、忙しい現代人に好まれます。
ただし、飼い主にとって頭の痛い問題の一つが健康問題。およそ半数の猫が泌尿器や腎臓の疾患を経験するというデータもあります。
腎機能は回復が難しく、疾患の初期にみられる「多飲・多尿」や「体重減少」の兆候をつかんで早期に治療することが大切です。
この発明は、ペットがトイレをするだけで、病気の兆候となる「トイレの回数」や「体重」をセンサーにより測定するペット用トイレです。しかも、飼い猫が複数いる場合には、登録した画像データからそれぞれの猫を識別できるという優れものです。

未来コンパスが指すミライ

この発明が秀逸なのは「日常行為(トイレ)の中でサービスが完結する点」と「周りが気づかないことを明らかにできる点」です。これらの特徴を頭に入れつつ、少しひねると未だないマーケットが見えてきます。

病気予見キッチンマット
体重、身体バランス、足の温度やしこりといった病気を予見するためのデータを取得してくれるマットが考えられます。足裏の情報から動脈疾患や糖尿病の兆候を捉えられるという研究を応用すれば、マットから病気の予見が可能でしょう。
ユーザーはいつも通り料理をするだけなので、面倒くさがりの両親も大丈夫。敬老の日のプレゼントに最適です。

従業員の心の病 防止トイレ
私の職場でも、およそ心の病と縁のなさそうな人が突然お休みすることがありました。なぜか。自ら心の病を申告するのは難しく、周りがその兆候に気づけないからです。
たとえば、職場での「トイレの頻度」は兆候の一つと言われています。高度のプライバシー保護やユーザー心理の理解が必要ですが、排泄データによる病の予測で望まぬ離職を防ぐことが出来るかもしれません。

こう見ると、日常行為に自社サービスを組み込めるかが、まだないマーケットを作るポイントになりそうです。そこを権利で押さえれば、そこがミライの「小さなブルーオーシャン」です。

 


 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

面白いビジネスを見つけたら是非シェアしてください。フォロー・友達申請大歓迎です!
Twitter
https://twitter.com/takashi_yaeda
Facebook
https://www.facebook.com/takashi.yaeda

 

感想・著者への質問はこちらから