第82回「ほぼたま」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第82回  「ほぼたま」

年齢や環境により体に変化が起こり、アレルギー体質に変わることがあるようです。
私は、もともとアレルギー持ち。ハウスダストや花粉、ダニなどに反応して、目鼻や皮膚がかゆくなる体質です。それに加え、ここ数年どうもお腹の調子が良くありません。どうやら小麦にもアレルギーが出る体質になったようです。40年近く続いていた朝のパン食をやめることになりました。また、最近は卵アレルギーがあるのでは?とも感じ始めています・・・。
制約が増えてばかりいますが、そんな私でも問題なく食事を楽しめる商品があるようです。


商願第2021-50627号(出願人:キユーピー株式会社)
【商標】

【指定役務】豆を主材とする惣菜、豆乳、野菜を主材とする惣菜 など


HOBOTAMA(ほぼたま)は、大豆原料からなる、卵を使わずにスクランブルエッグの風味と食感を再現した加工食品です。宗教や心情的な理由から動物性の食べ物を避ける人、卵アレルギーのある人に向けた商品です。
ここ最近、大豆ミートなどの代替肉のハンバーグに注目が集まっていますが、動物性食品の代替という点では、「ほぼたま」も同じカテゴリーの商品です。

未来コンパスが指すミライ

ところで、あるマーケットにおいて一定以上の需要が生じると、工程の一部だけを専門で担うビジネスモデルが出てきます。
例えば、ゴーストキッチン(ウーバーなどの宅配ビジネスの発展を受け、複数社のテイクアウト料理を一ヶ所で調理するビジネス)や、eコマースの商品管理や発送業務だけを複数の会社から請け負うビジネスがあります。各企業が購入していたサーバーを代替するクラウドサーバーのビジネスも、これに近い事例でしょうか。

さて、「ほぼたま」を使った加工食品(ハンバーガーなど)について考えてみるに、製造ラインを集約するほどの需要を、今の日本で見込むのは難しいでしょう。
ただ、個人的な感覚ですが、昔よりアレルギーに悩む人が社会全体で増えている気がしています。食品に関連したアナフィラキシーショックによる死亡事故がミライに起こってしまう可能性はあるように思います。もし仮に、そのような事故が増えた場合、食品管理を強化する行政ガイドラインや法律ができ、各レストランに調理器具や加工場所の厳格な管理が課されることでしょう。そして、各会社がそのコストや手間を負担できなくなると、集約型のビジネスモデルが成り立つだけの需要が生まれるのではないでしょうか。
食品アレルギーに関する規制強化や法律制定がなされるタイミングは、新たな集約ビジネスの芽がでるタイミングになるだろうと私は見ています。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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