第73回 マハロコが目指す、新しい採用と独立支援スタイル

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第73回 マハロコが目指す、新しい採用と独立支援スタイル

安田

そういえば聞いたことがなかったですが、岩上さんのサロン『マハロコ』さんでは、美容師さんの採用事情ってどんな感じなんですか?


岩上

ああ、今まさに採用に力を入れているところでして。新卒と業務委託の両軸で動き始めているんですが、両方に共通するのが「採用期限3年」というもので。

安田

え、3年? じゃあその期間が過ぎたらお店を卒業させるんですか?


岩上

というより、「3年後にまた選択してね」ということですね。たとえば新卒の子ならそのタイミングで業務委託になってもいいし、独立してもいい。業務委託の人も、そのまま業務委託を続けてもいいし別の道を目指してもいい。あくまでも「3年」という期限をつけることで、集中的に学んでもらいたいという意図です。

安田

なるほどなるほど。その3年間でどんなことを学べるんですか?


岩上

『ハウオリ』のビジネスモデルをみっちりと学んでいただきます。具体的には顧客コミュニティの作り方とか年間消費金額や客単価を上げる方法とかですね。僕としては、より多くの人にそれを習得してもらうことで、美容業界全体の働き方改革を起こしたいんですよ。

安田

ははぁ、素晴らしいですね。そういう意味では卒業後の独立支援なんかも重要そうですが。


岩上

そうですね。これはまだ構想段階ではありますけど、フランチャイズとして独立店舗を出してもらうのもいいかなと考えています。この採用・教育方法がウチのお店である程度確立できたら、今度は『ハウオリ認定サロン』でも導入できるんじゃないかなとも思っていて。

安田

なるほど! それがうまくいけば、美容師不足の解消にも貢献できそうですね。…でも美容学校を卒業したばかりの新人さんを採用しても、すぐには戦力になれませんよね? そうするとしばらくはコストがかさみそうですが…。


岩上

いや、それがそうでもなくて。ハウオリって美容学校で必ず全員が習う技術がメインなので、かなり早いタイミングで戦力化できるんですよ。人によっては即戦力です。

安田

え、そうなんですか! それはどんな技術なんです?


岩上

ワインディング…つまり髪の毛をロットで巻く技術です。これは基本的にパーマをかける時に使う技術なんですが、美容師国家試験の課題になっているんですよ。つまり、ロットを巻いてスチームをあてるハウオリは、美容師資格がある人にとって特段難しい技術ではないんです。

安田

なるほど〜。というか、…ん、ということはマハロコに就職すれば3年かけて「岩上巧術」を学べ、将来的には独立も目指せるわけですよね。後から『ハウオリ認定サロン』になりたければ研修費用がかかりますが、マハロコに就職したらそれをお金をもらいながら習得できてしまうと。


岩上

そうなんですよ(笑)。もちろん独立する際にはハウオリ用機器の購入やライセンス使用料はかかってきますけど、最初の研修費はいりませんから、初期費用は半額くらいまで抑えられるんじゃないですかね。

安田

う〜ん、これは新卒にかなり人気が出ると思いますよ! 例えば全国各地から集まった新卒が岩上さんの下で学んで、そしてまたそれぞれの地元に戻って『ハウオリ認定サロン』をオープンしてくれたら、岩上さんとしてもWin-Winになりますね。


岩上

そうそう。毎年全国から数十人を採用し、この広いお店を学校のように使いながら3年間しっかり学んで卒業してもらう。そういうサイクルができるといいなと思っています。

安田

で、そのメソッドを『ハウオリ認定サロン』でも導入してもらうと。ちなみに認定サロンで育てた人材が独立してハウオリをやりたいとなった場合、認定サロンの方にもインセンティブが入るんですか?


岩上

それはもちろん。育成したサロン側にもきちんとメリットがあるような仕組みにするつもりです。というのも、今、全国的に「教育サロン」が減ってきている理由が、せっかく育てても砂をかけて辞めていくような人が多いからだと思うんですよね。でも僕はそこを「育てて繋がる」関係性にしていきたいなと。

安田

なるほど。辞めた後でもいい関係性が築けるようにしたいと。


岩上

ええ。それは業務委託の人でも同じ。「個」で仕事をするのが当たり前のままキャリアだけを積んでいくのはもったいないと思うんですよ。もっと「チーム」というつながりがあることで、周りもサポートしてくれるんだということを知って欲しいといいますか。

安田

独立した方もしっかりと商売として成り立つ技術が身につき、育てた方にもしっかりと恩恵が作れるようなビジネスモデル…いやぁ、素晴らしいですね! なんだかあっという間に全国300店舗くらい『ハウオリ認定サロン』が増えそうな気がします。


岩上

ありがとうございます。僕も早くそこを達成したいと思っています。

安田

手始めにまず、認定サロンのない県から積極的に新卒募集するのがいいと思いますよ。


岩上

そうですね。ちょうど今、ハウオリサイトの中に「採用ページ」も作ろうと思っていまして。それができるまでは、ぜひ僕に直接ご連絡ください


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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