「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第76回 スタッフが独立すればするほど「儲かる」仕組みとは?

前回の対談では、美容師学校を出たばかりの新卒でも即戦力になれる、というお話をお聞きしました。これって美容師本人だけじゃなく、採用したサロン側にとってもメリットですよね。すぐ戦力になってくれるわけで。

そうですね。しかも『ハウオリ』の施術を新卒に任せると、お客様が「頑張ってね!」と応援してくれるんですよ。そうやって自然と関係性を作ってもらえるのも嬉しくて。

ええ。そしてそうやって育ててもらった新人は、お客様にも店にも愛着を持ってくれる。結果僕ら経営側ともいい関係を築くことができますし、その温かい雰囲気はお客さんにも伝わる。いいことばかりなんですよ。

いやぁ、素晴らしい。一方で岩上さんは「独立支援」にも積極的じゃないですか。せっかく育てたスタッフがお店を辞めちゃうのって普通はショックだと思うんですけど。ましてや独立するってことはある種のライバルになるわけで。

うーん、うちの場合は『ハウオリ認定サロン』の仕組みもあって、ウィンウィンなんですよね。要は独立したスタッフから独立元のサロンにインセンティブが入る仕組みがあるわけです。

ああ、そうかそうか。つまり、ハウオリの施術ができるスタッフをたくさん育てて、たくさん独立させるほど、自分のサロンの売上も増えていくと。独立した人もハウオリで売上が増えるわけですから、確かにウィンウィンだ。

しかも仮にそのサロンからまた独立者が出れば、今度はそのサロンがインセンティブを受け取れる側になれる。一般的に美容師の売上のピークは30〜40代で、50代60代になると所得は減ってくるんですけど、ハウオリ認定サロンであれば「教育」で収益を得ることができるというわけです。

ふ〜む、さすがです。ちなみに面貸しなどの業務委託の美容師さんに対してハウオリを教えても、同じように収益を得ることもできるんですか?

そうなります。ただね、先ほど安田さんが仰っていた話もわかるんですよ。独立した子のお店がすごく繁盛しているのを見ると「嬉しいんだけどウチには何のメリットもないんだよな」と複雑な気持ちになってしまう。僕はそれが嫌だったからこの仕組みを考えたんですよね。

仰るとおりです(笑)。でもそのおかげで、独立したスタッフが今でもウチに遊びに来てくれたりする。こういう関係性自体もどんどん全国に広めていきたいんです。

素晴らしい試みですね。人材の悩みをお持ちのオーナーさんにとって、ハウオリ認定サロンになることのメリットは非常に大きいものになりそうです。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。