「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第8回 稼ぐためのセルフプロデュース

確かにそうですよね。「せっかく大金を払って資格を取ったのに、全然稼げない」みたいな話をよく聞きます。でも、そう考えると岩上さんってすごいですね。無資格に近いような見習い時代から、たくさん指名を受けていたんですよね?

なるほどなるほど。そして現在の岩上さんは、「髪を切りに来てくれたお客さんのお客さん」にどう期待感を持たせるか、まで考えている。つまり、例えばヨガインストラクターの方が髪を切りに来たら、「どういうスタイルにすればヨガ教室のお客さんに期待感を持ってもらえるか」を考えて、いろいろな提案をされるわけでしょう?

仰るとおりですね。昨今はSNSなどの発達もあって、「何を売っているお店か」だけじゃなく「誰がやっているお店か」で選ぶ人も増えている。そういう意味でもセルフプロデュースがより重要になってきたと言えますよね。

そうなんですよ。何しろ私自身、以前知り合いの社長から「君はダサい」と言われて大変ショックを受けたことがありまして(笑)。それ以来、美容師さんにすべてお任せするようにしています。髪型だけじゃなく、洋服もお店の方にすべて選んでもらっているし。

「完成された髪型を再現する」ことは皆さん可能です。ただ、提案力という意味では不十分ですね。たとえば、その日作ったスタイル維持のためのシャンプーやワックスがあっても、それを上手にオススメできない。どこか押し売りのような雰囲気になってしまう。

まさに仰るとおりで。たとえば私達が開発した「ハウオリ」という髪質改善技術があるんですが、成分とか技術内容をそのまま説明しても、お客様にはチンプンカンプンです。

中目黒の美容師さんが「ハウオリ」を導入してくれているんですが、ほとんどのお客さんが喜んでくれているようです。

ええ。それに、美容師さんに気に入ってもらえるのも嬉しいですね。その中目黒の美容師さんも、お客さんにハウオリをオススメしまくってくれているようで、「私、完全にハウオリハラスメントです」なんて言ってました(笑)。

そうですね。ハウオリは、家で言うと「土台を改善する」みたいな商品で。だからその後のカットやカラーの仕上がりにも大きな差が出てくる。お客様の持ち味は様々でも、髪質がよくなって困る人はいませんから。

ぜひぜひ(笑)。ハウオリを受けてもらうことで、こちらの提案の幅も広がりますしね。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。