第9回 「ハウオリ」誕生秘話 〜美髪への第一歩は頭皮づくりから

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第9回 「ハウオリ」誕生秘話 〜美髪への第一歩は頭皮づくりから

安田

今回から数回にわたり、岩上さんが開発された『美髪矯正ハウオリ』の誕生秘話についてお聞かせいただこうかと思っております。


岩上

ありがとうございます。

安田

『ハウオリ』は2021年に特許を取得されていますが、いったいどういう技術なんでしょう。…たぶん説明するのがなかなか難しいと思うんですけど(笑)。


岩上

笑。そうですね、平たく言うと「薬剤を使わずに髪質改善ができる」美容技術です。

安田

要は「水だけで髪質を改善します」っていうことですよね? 薬剤を使わないというのは驚きです。


岩上

そうなんです。美容業界の常識で言えば、髪質を改善したければ「髪の毛そのものに作用する薬剤」を使って施術するのが当たり前で。パーマだってヘアカラーだって縮毛矯正だって、言うなれば全部薬剤を使った髪質改善なわけで。

安田

ああ、確かにそうですよね。


岩上

そしてそういった薬剤にはだいたい「頭皮につけてはいけない」という但し書きがついている。だから生え際ギリギリのところまでしか攻められないわけです。

安田

頭皮にはついたらマズイと。でも、それって要は「今生えている髪」にしか影響しないってことですよね。髪の毛が伸び始めてきた時には、またくせ毛や白髪が目立ってきちゃうんじゃないですか?


岩上

仰るとおりで。だから私は、「これから生えてくる髪」の改善もできたらいいなと考えた。で、そもそも髪というのは「毛母(もうぼ)細胞」という毛根の中にある細胞で形成されるんですね。つまり「これから生えてくる髪」の質を上げたければ、毛母細胞にアプローチする必要があって。

安田

ふ〜む、話が専門的になってきましたね(笑)。つまり、頭皮から外に出ている部分=既に生えている髪にどれだけアプローチしても、これから生えてくる髪の改善にはならない。それを行うには頭皮の中にある「毛母細胞」に働きかけなければならないと。


岩上

仰るとおりです。それを実現したのが『ハウオリ』という技術でして。

安田

へぇ! ちなみに『ハウオリ』にはどんな効果があるんでしょう。髪質はどう変化していくんですか?


岩上

すごくみずみずしい若い髪になります。僕なんかはよくお客様に「3回ハウオリをやれば、10代の頃の髪質が戻ってきますよ」なんてお伝えしているんですが、それが決して大げさではないと感じていただける程度の効果はありますよ。

安田

へえ! 10代の頃ですか。いいですね。


岩上

そもそも髪質って年代によって全然違ってくるんですよ。14歳くらいまではいわゆる「子どもの毛」。で、そこから徐々に「大人の毛」に変化していく。

安田

へぇ、そうなんですか。確かに小さい子の髪の毛って、ふわふわと柔らかい触り心地ですよね。1本1本も細いし。


岩上

そうなんです。幼稚園児の髪の毛をゴムで結ぼうとしても、つるつる滑ってしまってうまく結べなかったりします。それが年齢を重ねることで1本1本が太くなって、全体的にしっかりとしてくるんです。美容業界では「7年周期で変化が起こる」と言われていて。

安田

へぇ。7年という数字には何か理由があるんですか?


岩上

先ほどお話した「毛母細胞」の活動が5年から最大7年ほどで終わりを迎えるんです。つまり髪の毛1本の「一生」は5〜7年だということですね。

安田

ははぁ、そういうことなんですね! じゃあ毛母細胞が一生を終えるタイミングで、毛根も役目を終えてしまうんですか?


岩上

いやいや、毛根自体は死にません。毛母細胞が「成長期」「退行期」「休止期」という順に活動サイクルを終えて抜け落ちたあと、また同じ毛根から次の新しい毛が生えてくるというわけです。

安田

なるほど。髪の毛1本1本を作る「毛母細胞」が、だいたい7年サイクルで生まれ変わるから、そのタイミングで髪質も変わっていくと。


岩上

ええ。だからこそ「その7年間で、どういうケアをするか」という視点で考えることが重要なんです。

安田

そのケア、というのは「頭皮のケア」ですよね。つまり毛母細胞が入っているところというか。


岩上

そうですそうです。要は「頭皮」というのは、新しい髪の毛が生まれる大元の場所なわけです。

安田

ははぁ、なるほど。だんだん話が見えてきました。つまり毛母細胞がある「頭皮」の状態を改善できれば、新しく生えてくる髪の質もよくなるよ、ということですね?


岩上

すばらしい。仰るとおりです(笑)。「これから生えてくる髪の毛のためにも頭皮のケアをしましょうよ」ということなんです。中でも、毎日頭皮に直接触れることになるシャンプーは、特に気をつけて選ぶ必要がありますね。

安田

ふ〜む。でもシャンプーってものすごくたくさん種類がありますよね。子どもと大人は別々のシャンプーにしたほうがいい、みたいな話も聞きます。ちなみにそれは本当なんですか?


岩上

そうですね。子どもの肌って水を弾きやすい…つまり油分が多いんです。そういう状態にしておく必要があるのに、洗浄力が強すぎる「大人のシャンプー」を使ってしまうと、必要な油まで取り去ってしまって頭皮が乾燥してしまう。しかも乾燥していることで大脳が「油が足りていないぞ!」と誤認識してしまい、今度は過剰に油を出そうとしてしまうんですよ。

安田

せっかく綺麗にシャンプーしていたつもりでも、かえって頭がベタベタになったり臭ってきたりしちゃうわけですね。


岩上

そうそう。シャンプーというのは頭皮の状態にかなり影響するんです。

安田

シャンプーって髪の毛そのものをケアするイメージが強かったんですが、頭皮をケアするという意味でも大切なものなんですね。


岩上

そうなんですよ。でも多くの美容師さんたちはこの問題にはノータッチで。「頭皮の状態を改善しよう」という意志を持って施術している美容師さんは、残念ながらそれほど多くないと思いますね。

安田

へぇ、それはなぜなんですか?


岩上

そもそもお客様ご自身が、頭皮の悩みを相談しないからだと思います。ニオイにしろ育毛にしろ乾燥にしろ、深刻な「頭皮の問題」があると直接皮膚科に行く方が多いので。

安田

ああ、そうか。「美容師さん=すでに生えている髪の毛についての専門家」という捉え方だから、頭皮について悩み相談をする意識がないわけか。


岩上

だと思いますね。とは言え、頭皮も「肌」なので、毎日のお手入れをしっかりしていないとどんどん老化してしまう。そしてその老化した状態の毛しか生えてこない、ということなんです。

安田

なるほどなぁ。だからこそ頭皮の状態を良くすることが、髪質改善のための大きな一歩になるというわけなんですね。


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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