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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
「要領が良くて何が悪いのか?」
先日、息子が通っているジムの代表から、「ふざけて言うこと聞かない。改善できないなら、辞めてもらうことになる。」的なLINEが来ました・・・
ずいぶん感情的な表現だったので、気になって直接話しを聞きに行きました。
代表から色々聞いていくと、LINEで表出した感情の裏にあった本音も出てきます。
息子は要領良く覚えられるけど、まだできない他の子達が一生懸命に基本の反復をしている横で、(先生が見ていないと)サボっている。
他の子が真面目にやっている横で、自分が出来るからといって、そういう態度はいかがなもんか!?見ているとやる、見ていないとやらずに友だちと遊ぶ、そういうずる賢いところが嫌。
社会に出ればコツコツ積み重ねられる人が、要領が良い人を追い抜いていくことはよくある、将来そうなってほしくない、と。
・・・息子よ、僕と全く一緒のタイプやないか(汗)
DNAでしょうか、これは。
まぁ・・・ムカつくよね、そういう奴。
先生的立場の人(いわゆる大人)を苛立たせるんだよ、そういうタイプって。
実際、不器用で、真面目な子って、教える側からすると可愛いいんですよねぇ。
従順で大人しいから、扱いやすいですしね。
この「扱いやすい」って、本当にありがたいんですよ!
一方、要領良くやっていく子って、必ずしも先生からの評価は高く無いです。
日本は「頑張っている」という過程を評価する傾向にありますよね。
例えば、授業中、先生の話も聞かずに寝ていたり、他事やっている生徒は、テストの点数がどんなによくても先生からは嫌われちゃったりします。
フト、これが会社組織だったらどうなんだろう?って思ったんです。
不器用で成果はあまり出せないけど、真面目で従順な部下A
要領が良くて成果は出すけど、生意気で扱いづらい部下B
なお、部下Bは周囲に悪影響を及ぼすほどモラルが低いわけではない。部下A、B共に、会社の価値観理解度は同じようなレベルだとします。
上司からすると、部下Aって可愛いですよね、きっと。
「はい、課長!」、なんて元気よく返事してくれて、言われたことを真面目にやってね。
その姿を見て、「お、今日も頑張ってるな!(うい奴じゃ)」って思いますよね。
一方、部下Bは、「あ、はい…(んなの、言われなくてもやってるよ)」みたいな生返事かもしれません。この時点でムカつきますねw
そして、言われたことはそこそこに、(ときに自分で考えたやり方で)成果だけはちゃんと出してくるから、頭ごなしに叱ることもできない。
・・・従順ならざる部下B、一挙手一投足がムカつきますね。
上司がコントロールできない部下Bより、犬っころのように懐いてくる従順な部下Aの方がどんなに可愛いことか。
じゃあ、この組織に成果が求められ、上司に結果責任が発生したとしたらどうでしょうか?
上司は、成果を出せない部下Aを、いつまで可愛がり続けられるか?
「おい、A!いつになったら結果を出すんだッ!」って、ある日、怒鳴ってしまうかもしれませんよw
一方、癪に障る生意気な部下Bだけど、成果を求められる状況においては、戦力として一定の信頼を置くようになるんじゃないでしょうか?
条件を変えるだけで、これほど評価が変わるって面白いですね。
前述の要領の良い生徒も、進学率を気にする学校や予備校であれば、学校の実績に貢献してくれる貴重な人材になるわけです。
実は、要領が良い人だって、真面目にコツコツやっていないわけじゃないんですよね。
成果に繋がる要点をコツコツ探して、その要点に作用する行動をコツコツやって、再現性があるかどうかも試行錯誤コツコツ試しているわけですから。
見えない努力によって、より効率のいい方法を見つけたり、やり方を創造しているわけで。
でも、何故か「サボっている」「手を抜いている」「楽な方法ばかり選んでいる」って言われがち。
となると、分かりやすいコツコツアピールって、日本での人間関係構築のために重要なのかもしれませんね。
でも、ビジネスの世界では結果が全てですから、そんなのどうでも良いんですけどね。
真面目にやってても、成果でなかったら、全く評価されませんから。
それどころか、「お前、真面目にやってるのかッ!?」って言われちゃいますよ(苦笑)
ところで、格闘ジムで良いお客さんって、不器用で上達しないけど真面目な人だと思うんです。
だって、ずーっと通ってくれるし、真面目に言われたコト繰り返すし、でもなかなか上達しないからジム側もその人に新しい何かを教える必要もないですから。
この点、僕は良いお客さんだと思うんですよねぇ・・・なんか、悲しいけど(涙)
なお、息子には「先生や先輩の言うこと聞かないから、お前、嫌われてるぞ・・・自業自得だぞッ」などと伝えておきました。
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。