第199回 遮断と集中(将棋愛好家からの教え)

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/遮断と集中(将棋愛好家からの教え)

「藤井聡太竜王・名人」「前人未到の八冠」という「歴史的偉業を達成!」したことにより、ここ最近の大手さんとの打合せでは、かなりの確率で、藤井さんの話題が出てくるのです。

ちなみに、

・将棋人口:500万人(レジャー白書2022)
・サッカー人口=309万人(サッカー実施推計人口/2022年)
・野球人口:268万人(年1回以上野球を実施した推計人口/2022年)

とのことで、

「実は野球、サッカー以上の競技人口を誇るんですよ!」とは、某大手人事部長Sさんからの教え。

そんなSさん。

先日開催いただいた「若手研修」で集まった受講生たちに向けた開講講話にて、

「かつては、経営戦略のひとつとして『選択と集中』なるものを徹底的に学んだ時期があります」

「確かに大切です」

「ですが、選択にも集中にも、事前に『遮断』が必要。遮断をしないことには、集中も選択もできない時代が現在なのです」

と語り出し、

「実は、藤井聡太さんは、、」

・普段からスマホを手元に置かない

・仲間との研究会の休憩中にも、まったくスマホを見ることがない

・他の棋士は、当たり前のように手元に置いている方が多い
(研究会は本番ではない、言わば練習機会)

・朝、家を出て、昼休みもスマホはずっとカバンに入れたまま

・ようやくスマホを眺めるのは、帰る時のことが多い

続けて、

「スマホを肌身離さず持ち、眺めるというのは、、、」

・情報を受動的に受け続けてしまう

・時間を主体的にコントロールできていない

・我々がゲームや動画などを観ている時、集中状態にあるかというと、受動的な状態のため集中しているとは言い難い

・集中しているとは「能動的に自分が情報を得ている」、いわゆる自分軸で行動できている時

と、どや顔で語るのです。

さらには、

・藤井聡太さんは、対局前には十分な睡眠をとる

・大谷翔平選手が睡眠をとても大切にしているのも有名

・奈良にある某中高一貫校では、寮生の寝具を睡眠しやすいものに変えたところ、通学生と比較して成績が向上した

「これらも、時間を自分でコントロールすることで集中力を保つための一つの方法ですよね」

と、鼻息を荒くして語り続けるのです。

・集中力を明確に発揮できる場面には「長考」がある

・長考には、「良い長考」と「悪い長考」がある

・次に何を指せばよいか迷走している状態は、悪い長考

・良い長考は、その局面に入り込んで、とことん先を読んでいる状態

・多くの棋士は将棋中、迷っている状態で、リスク回避のために長考する

「藤井名人はよく長考するのですが、本当に時間を惜しみなく使います。どこまでも深く考えるその姿は、思考の沼に入り込むことを自ら好んでいるように感じさせます」

「そこで面倒くさがらずに考えられる人は、強い」

「皆さんも、スマホをカバンにしまって、余計な情報を入れないように『遮断』し、今後のキャリアについて長考していきましょう!」

何やら、最初から最後まで、、

「藤井聡太さんに関する蘊蓄」について、将棋マニアからご指導いただいた、そんな機会でございました。

著者の他の記事を見る


 

高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

感想・著者への質問はこちらから