DXっていったい何なんだ!〜お医者さんは、なやんでる。 第118回〜

第118回 「DXっていったい何なんだ!」

お医者さん
お医者さん
ああもう、知り合いと飲めば話題はもっぱら「DX」! なんなんだDXって!
お医者さん
お医者さん
だいたい、それをやって具体的にどんなメリットがあるんだ? ただ流行りに乗ってるだけじゃないか。俺はそんなのに騙されないぞ!
随分と怒ってらっしゃいますね、先生。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん!? ああ! あんたは確か……
ご無沙汰しています。ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ! そうだそうだ、ドクターアバター。ちょうどいい、いろんな医師と話しているあんたにも聞いておきたい! いったいDXってなんなんだ!
すごい剣幕ですね……どうしてそんな怒ってるんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
別に怒っちゃない! 誰も彼もがDXなるものに振り回されて、しかもそれに気付いてないのが不満なんだ!
いや先生……別にDXってそんな大層なものじゃないですよ。これまでのビジネスプロセスをデジタル技術を使って再構築していきましょう、ってだけの話ですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ビジネスプロセス! デジタル技術! 再構築! ほらそういう専門用語で煙に巻こうとして!
い、いや先生、全部一般用語ですって。ちょっと落ち着いてくださいよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む……確かにそうか。いや、しかしだね、私が言っているのは、DXして何のメリットがあるのか、って話なんだよ! デジタル化しました。それで? 何かいいことがあるのか? ん?
凄まないでくださいよ……もちろんありますよ、メリットは。そうじゃなきゃやる意味ないですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ほー、して、そのメリットとは?
まあ、シンプルに言えば、「手間が少なくなる」ってことですね。人間がやっていた仕事を機械やサービスが代わりにやることで、それまでより手間が省けると。ポピュラーなのは、予約対応や受付業務などですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふん、手間を省いてスタッフの手を空けたところで、スタッフが楽になるだけじゃないか。他に任せたい仕事があるわけでもなし。それに、そういう体制にするのにいくら金がかかるんだ? 大金はたいた結果がスタッフの休憩時間アップか? そんなのありえない!
もう、落ち着いてくだいって。DXには他にも、「付加価値を上げて料金をアップする」という活用法もありますよ。保険診療がジリ貧の中、こちらの目的で導入されている病院も増えています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
むっ? 料金アップ? 医療でそんなことできるのか? どうやってやるんだ!
端的に言えば、「自由診療の導入」ですね。これまたポピュラーなところで言えば、オンライン診療サービスです。オンライン診療は保険診療だと正直あまり料金的メリットはないですが、自由診療なら設定は自由です。例えばここの患者さんって、先生の豪快なキャラクターに惹かれて来られてる方が多いですよね?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む? 豪快? まあ、たしかに「あんたと話してると、クヨクヨしてた自分が馬鹿らしくなる」なんて言われることがあるな。
でしょう? 先生のようなキャラが立ったタイプは、自由診療でのオンライン診療がすごく向いてると思います。オンラインなら近所の人じゃなくたっていいわけですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど! それなら新規患者も増えるな!
そういうことです! そういう企画を、デジタル技術を組み合わせつつ実現していくのもDXなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどな! 自分のキャラクターを付加価値にしていくなんて考えたこともなかったが……。ともあれ、要するに「病院それぞれのDXの形」があるということなんだな!
仰るとおりです! 先生のオンライン診療、きっとファンがたくさんつきますよ! Twitterでバズったりして笑
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
バズる? 私が? ふーむ、いや、なかなかおもしろそうじゃないか! 世の中に言いたいことがたくさんあるからな!
いや先生、あくまで診察ですから……そういうのは別でYouTubeでも始めてください。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどYouTubeか! そちらも検討してみよう!

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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