「利益アップのためのスクール運営」〜お医者さんは、なやんでる。 第46回〜

第46回 「利益アップのためのスクール運営」

お医者さん
お医者さん
医療事務がまた辞めてしまった……。未経験入社でイチから教えてきて、やっと仕事を覚えてきたところなのに。

お医者さん
お医者さん
噂では、もっと給料のいい医院に転職するらしい。……職場を選ぶ自由があるのはわかるが、なんともやりきれない話だ。

どこの病院でも聞く話ですね。せっかく未経験から育ててあげたのに、仕事を覚えたらさっさと辞めていってしまう。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
そうなんだよ。かといってウチは給与も良くないし、バリバリの経験者を採用するのは難しい。結局、安い給料でも来てくれる未経験を雇うしか……って、いきなりなんだね。

突然失礼いたします。ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
ドクターアバター? あっ、知り合いの医者が言っていたぞ。なんだかヘンテコな医療コンサルが来たって。君がそうなのか。

ヘンテコ……(笑)。でも実際そうかもしれません。従来の医療コンサルとは違った視点でアドバイスすることが多いので。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
その医者も、なかなかおもしろい提案をしてくれたって言っていたよ。……ちょうどいい、今回のような課題にはどう対処するのがいいのか、教えてもらえないか。

そうですね。先生のお話を紐解くと、課題は2つありますね。1つ目は「せっかく育てた職員が定着しない」ということ。2つ目は「経験者が納得するような給与が払えない」ということ。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
む……1つ目はそうだとしても、2つ目は別に関係ないことのように思うがね。

いや、むしろこの2つの根っこは同じです。要するに先生の医院は「利益」が足りないのです。利益が足りない職員の給与を上げることができず、結果、仕事を覚えて一人前になってきた社員は低いままの給与に不満を抱き、辞めていってしまう。
絹川
絹川
そして人手不足になり、増員を行うために求人広告を頻繁に出す。ご存知の通り求人広告も安くありません。結果、さらに利益は減り、さらに職員の給与が下がるという悪循環が起こります。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
……そんなことあらためて言われなくても、わかっている。だがどうしようもないじゃないか。何かアイデアでもあるのかね?

そうですね、今回私が提案したいのは、「医療事務スクールを開く」というものです。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
は? 医療事務……スクール??

そうです。これまで何度も未経験を育ててきているだけあって、先生の医院の教育制度は非常に洗練されています。未経験がイチから仕事を覚えるには、これほど最適な環境はないわけです。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
いや……だから、一生懸命教えても辞められちゃうんだって言っているだろ。

そこの意識を転換するのです。給与を払いながら教えるのではなく、生徒として未経験者を集め、逆にお金を払ってもらうのです。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
いやいや、簡単に言うけど、そんなの無理だろう。

私はそうは思いません。未経験からの教育、しかも実際の医療現場での体験教育となれば、これはビジネスとして十分成り立つと思いますよ。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
そうかねえ。でも確かに、給与を支払いながら教育するより、財政的にはかなり楽にはなるだろうな。

その通りです。そのまま一人前にまで育てて卒業、となっても、収支的にはプラスです。これを続けていけば経営状況は徐々によくなっていくでしょうから、社員の給与も上げられるかもしれない。
絹川
絹川
さらに言えば、プログラム終了時、見込みのある方は自分の医院にリクルートしてしまえばいい。求人広告を打つまでもなく、すでに知識を持った経験者が手に入るわけです。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
! なるほど!

もちろん「ビジネス」としてきちんと成り立たせるまでには、それなりの時間もお金も必要でしょう。しかし実際、先生の医院の教育レベルは非常に高い。他の医院がイチから始めるよりはずっとスムーズだと思いませんか?
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
そうかもしれないな。未経験の教育ばかりやっていたことが、まさか長所になるとは思わなかった。ちょっと前向きに検討してみよう。……ドクターアバター、やっぱり少しヘンテコだが、おもしろい提案をしてくれる。

ありがとうございます! またお気軽にお声がけください!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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