この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。
本日のことわざ
「あちら立てればこちらが立たぬ」
昨日は面白いお話をきいてきました。
ほほう
これまで何年も続いてきた【雇用】の在り方、いよいよ大変革の時がきたなと!
フフフ・・
今はまだ夜明け前で、まだはっきりと認識できない人が大半だと思うけど、、、
時代の流れは止められない
私もそう思う!あーだこーだ言う人は、どの時代にも居たけどね。でも結局は、時代の流れには抗えない。
そうやって新しい時代が幕を開けていくんだな。
【雇用】に関して言えば、行き詰まり感を感じるようになっていたんだよ。ここ数年は特に。
ただでさえ、経営していて一番難しいのは「ひとをつかうこと」なのに、最近はそれに拍車がかかってる。
そうなんだよ~。法改正をとってみてもさあ、現代の働き方に即してないところはそのままで、更に会社側にシビアな改正が続いてる。
これまでの様に人を雇えなくなるな、日本の企業。
以前は労働基準法がどうのこうのって、一般の人はあまり直接触れる機会なかったけど、今は違うからね。ネットのにわか知識でさわぐ人も多いww
コレもひとつのIT革命☆
【雇用】に行き詰まり感を感じているのは、これら時代の変化に伴う理由の他にもうひとつあるんだ、理由がさ。これは私自身の性格というか、、、ここでやっと本日のことわざ。
おっと!やっと出た。
【あちら立てればこちらが立たぬ】一方に良くすれば、もう一方には良くないことになってしまう両立が難しいということのたとえ。
具体的には?
「お客様」と「従業員」
なるほど、そうきたか
低コストで高いサービスを提供しようとすれば、お客様は喜ぶけれど、従業員にはその分負荷をかけてしまう事になる。
見積額を適正にすればいいんじゃないの?ちゃんとバランスすれば。と言いたいところだけど・・
そらそーなんだよ、わかってんのよ。でもさ、人間社会なかなか杓子定規に行かない事も多いのよ。
やっぱりオモシロイな地球人は。
本来であれば、そこ割り切ってやれるのが経営者としては優秀だと思うのね。でもなんか、そういうことやってるのが自分ん中ではちょっと違和感あるというか楽しくない。
フウン。たとえばどんな時に違和感を感じるのか?
ウチの業務だと、緊急対応というのが頻繁にあるのよ。誤報で火災報知器が鳴っちゃったとか、消火水槽の警報あがっちゃったとか。それこそ365日24時間緊急回線に連絡が入る。
そら大変だ
管理会社によっては一出動いくらと取り決めしているところもあるけど、それ以外は一次対応の金額を提示してから対応している。そうでないと、困ったときだけ連絡してきて、解決したら支払いの段階でしぶるお客さん多いからさ。
なるほどねえ
本当は、お客様が困っていたらさっさと行って対応したいところなのだけどね。
そらそーだね。非常ベル鳴っていたら早く止めてあげたいよね。
以前、ある真面目な従業員がさ、お客様から直接SOSの電話をもらって、現場の帰り道だったこともあって、無償で対応してあげた事があったのね。
ほう
お客様も喜んでくれてよかったのだけど、、、
だけど?
案の定、ちょっとしたことでも呼ばれるようになった。もう無償対応はするなと指示したよ。「お客様が困っているときには自分は残業代もいらないから助けたい、、」というその従業員の気持ちもわかるけど、他のお客様にも同様のことをしなければならなくなる。他の従業員のこともある。ある程度の「組織」となってしまうと【融通】というものが利かなくなる不自由さが生まれてくる。なんかそれが、、
楽しくないとww
「お客様へのサービス」と「従業員の待遇」どっちもWINWINにならないもんかね。まあ、多くの会社がいちばん良いバランスをとるべく頑張っているのだろうけどね。
就業規則をベースに雇用契約書も基本同じだもんね。従業員に対しては。
雇用という形をとっている以上、そうなっちゃう。フルタイムかパートタイムかの違いと、基本給や手当の金額が違うくらい。
日本は基本ジョブ型じゃないからそうなるわな。
なんか一つの型にはめたがるよね、日本人は特に。でも時代の流れ、多様化の波はとめられないからさ、雇用や仕事の在り方についても、もうそろそろ夜明けが来ると思うんだよね。
夜明け前が一番暗い。多くの人は今はまだ暗くて手探りの状況だけど、、
夜が明けたら、ぱあーっと道が開けているように、闇夜にもぞもぞ色々トライしてみるよ!
いいんじゃないの【あちら立ててもこちらも立つぞ】な世界。「違和感」こそが、道しるべ☆
著者について
黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/
数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。