この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第77回 生活習慣を見直せば、健康寿命も伸びる
第77回 生活習慣を見直せば、健康寿命も伸びる
そうですねぇ…。最近は「人生100年時代」なんて言われていますけど、最期の10年を寝たきりで過ごすなら、別にそんなに長くなくてもいいような(笑)。
同感です(笑)。寿命が伸びたと言っても、「寝たきり年数」が伸びているだけならあまり意味ないですよね。かといって「ピンピンコロリ」を狙ってできるわけでもなく。
ぞうですね。老いて弱っていくのは自然なことで、それ自体を避けることはできないと思います。私としては、最期の数ヶ月だけ寝たきりになり、家族のお世話になりながら亡くなるのが、自然の摂理に従った生き方なんじゃないかなと。
ははぁ、なるほど。そう考えると、病気になることも「もうそろそろ人生が終わりに近づいているよ」という合図なのかもしれないですよね。
そうそう。だから無理に抗う必要もないのかなと思うんです。逆に言えば、今の日本人は10年間「自然の摂理に抗っている状態」なのかもしれない。
確かにそうとも言えますね。実際介護する家族も大変ですし、医療費が莫大に増えてしまうというデメリットもある。
そうなんですよ。今から10年ほど前の時点で「間もなく医療費が年間40兆円を超えるだろう」とニュースになっていました。さらに「2025年頃には年間54兆円になるだろう」と。
当時60代だった「団塊の世代」の人たちが、十数年後には後期高齢者になる。それによって医療費が10〜15兆円は増えるだろうって話でしたね。
ええ。でもその時点で「今から健康に気をつけた生活を送って、医療費がこれ以上増えないようにしよう」という議論がもっと真剣になされていたら、今の状況はもう少しマシだったかもしれないとも思うんです。
あぁ、確かに。団塊の世代が食生活や生活習慣を見直してくれていたら、10年後の今、病院にかかる回数が少ない「健康な高齢者」ばかりになっていたかもしれないですね。
そうなんですよ。実は10年前の時点でも、75歳以上の年間平均医療費は90万円を超えていた。ところが74歳以下だと20万円ほど。つまり4倍以上の差があったわけです。
ふ〜む。ということは、当時74歳以下だった人たちがその後の10年も健康に過ごしていてくれれば、医療費がここまで膨れ上がることもなかったと。
ええ、おそらく10兆円は削減できていたんじゃないでしょうか。とはいえ実は現在も、「75歳以上の人には年間90万円の医療費がかかる」という前提で国家予算の議論をしているんですよ。
ははぁ…それはつまり、「75歳を超えたら健康じゃなくなる」ということが前提にされていると?
そういうことです。「後期高齢者は寝たきりの人ばかり」という前提で、医療施設や介護施設、医療・介護の従事者をどう増やしていくか、といった問題を議論しているわけです。
なんと…。じゃあこのまま高齢化が進んでいく日本は、そのうち「国民の3割は寝たきり状態」なんてこともあり得るわけですか。
現状のままであれば、残念ながらその可能性は低くないでしょうね。
いやぁ、恐ろしい…。そうならないためにはどうしたらいいんでしょう? どうやったら寝たきりにならずに済むのか…。
そうですねぇ。私個人としては、寝たきりになってしまう一番の要因は「生活習慣病」だと思っています。
やはり生活習慣病ですか。糖尿病とか高血圧とか、そういうものですね。
ええ。生活習慣病になってしまうと、臓器がだんだんと弱っていって、やがて機能しなくなります。結果、日常生活に不具合が出て思うように動けなくなり、最終的には寝たきりになってしまう。つまり「生活習慣」を変えることが、寝たきりを防ぐための唯一の方法なのかなと。
なるほどなぁ。じゃあ今の50代以上の人たちが一斉に健康的な生活を送り始めたら、寝たきり老人はいなくなりますかね?
そうですね、完全にゼロになることはないでしょうけど、今の8〜9割くらいは減らせる可能性があると思いますよ!
素晴らしい。ぜひともそれを目指せるように、皆さん、今から生活習慣を見直しましょう!
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。