第109回 5億人の農家を救う「東南アジア版のJA構想」

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第109回 5億人の農家を救う「東南アジア版のJA構想」

安田

以前、「東南アジアに日本の農協のような組織を作りたい」という壮大な構想をお聞きしたじゃないですか。ただなかなかイメージがわかなくて。日本だと農協ってあまりいい印象がないというか、実際役にたってるんだろうかと懐疑的な人もいると思うんです。


倉橋

特に最近はそうかもしれませんね。でも始まった当初は、純粋に農家さんをサポートするための組織だったんです。農家さんのほとんどが個人事業主で、限られた資金ではできることに限界があった。そのために生まれたのが農協で。

安田

なるほど。具体的にはどういうサポートをしてくれていたんですか?


倉橋

農薬や肥料を共同で安く仕入れたり、収穫した作物を共同で販売して交渉力を高めたり。そしてこういう支援はいま東南アジアですごく求められていると感じていて。

安田

ほう。それはなぜ東南アジアなんでしょうか。


倉橋

東南アジアには約5億人の農家さんがいると言われているんですが、その農地は日本と同じように一つひとつの区画が小さいんですね。

安田

へぇ、そうなんですか。てっきり広大な土地でやっているのかと思ってましたけど。


倉橋

アメリカやヨーロッパと比べたら断然小さいんです。だから日本の小さくて高性能な農機具との相性が抜群にいいわけですよ。

安田

なるほど~。つまり日本の農業技術が、そのまま活かせるというわけですね。


倉橋

そうですそうです。そもそも日本の水田の大きさって、豊臣秀吉が太閤検地を行って以来、ほとんど変わっていないわけです。結果長い時間をかけて、日本の「小さな田んぼ用の農機具」は世界でも類を見ない進化を遂げた。

安田

なるほどなるほど。でもそれが農協の話とどうつながるんです?


倉橋

世界の米の輸出量トップはタイ、2位がベトナムなんですが、実はそれほど機械化が進んでいないんです。まだまだ人力に頼っている部分が大きくて、要するに生産性がまだまだ低い。そこに日本の農機具と、「共同仕入れ・共同販売」という農協の仕組みを導入すると…

安田

なるほど! 生産性が一気に高まるということですね。高価な農機具も共同で購入してリースすれば、個人農家でも無理なく導入できますからね。

倉橋

そういうことです。で、生産性が上がれば、当然収入も増える。現地の農家の生活が豊かになるのはもちろん、世界の食糧危機を救う一助になるかもしれない。そう考えると、ワクワクしませんか。

安田

は〜、ものすごい話ですね…。でも日本の農協が辿った道を考えると、組織が肥大化して、当初の目的を見失ってしまう危険性もあるんじゃないですか?

倉橋

そうですね。農協に限らず組織というのは、大きくなりすぎるとどうしても存続が目的になってしまいがちで。なので海外で始めるにしても、「最初に掲げた大義から少しでもズレたら事業自体をストップさせる」くらいの牽制機能は必要だと思います。

安田

なるほどなるほど。そういう危険性についてもしっかり考えられていると。ちなみに今のところ東南アジアには農協のような組織はないんですか?

倉橋

それがないんですよ。というのも、メコンデルタ流域には複数の国がまたがっていて、国が違えば法律も関税も違う。だから地域全体をまとめるような組織が生まれにくいんだと思います。

安田

ああ、そうか。倉橋さんはそこを一つにまとめ上げるような組織を作りたいということですね。素晴らしい。本当に世界の食糧危機を解決できちゃうかもしれませんね!

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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