“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第162回 「紙」が消える時代に残るもの

産経新聞が東北で発行休止になったのをご存知ですか? 紙の新聞がまるごと一つの地域からなくなるというのは、やっぱり衝撃的ですよね。しかも東北は倉橋さんの商売のお膝元じゃないですか。

そうですね。地方はどうしても都会に遅れがちですが、少子化や高齢化は逆に一番最初に訪れるんです。そういう意味では地方の方がむしろ早く変わっていかないといけないのかもしれない。自社のビジネスでも、日本で一番最初に変革に取り組まないといけないと思っています。

ああ、確かに。そう考えると、人口減少も高齢化も一番厳しい地域で利益を出せたら、そのモデルは全国どこでも通用するかもしれないですね。ただ新聞がなくなるとなると、地方で広告を出している会社は困るんじゃないですか? 新聞広告ってまだまだ現役の集客手段でしょうし。

仰るとおりで。万代ホールディングスの関連会社、中古農機具の会社で農家さん向けの新聞広告を出しているので、完全になくなったらまた別の手段を考える必要があるでしょうね。今回は産経新聞なのでまだそこまで大きな影響はありませんが。

漫画雑誌の『少年ジャンプ』ですら紙は100万部を割ったそうですから。最盛期は600〜700万部近く売れていたのに。読んでいる人はまだたくさんいるけど、紙では読まなくなっているということですよね。

そう思います。万代でももうコミックは1冊も置いていないですから。もともと古本屋からスタートした会社ですよ。店を作るときにはまず10万冊のコミックを用意するところから始めていたのに、25年後の今は1冊もない。

なるほどなぁ。でも経営者仲間でいま紙の本を出す人がすごく多いんです。というのも、出版コストが下がって出しやすくなったらしいんです。私は「電子書籍でいいじゃないですか」って言うんですけど、やっぱり紙の本じゃないとステータスがないと。

全くこだわる必要はないと思いますけどね。このウェブマガジンだって、本屋に置いてもらうよりも読んでもらえる人の数は絶対に多いですよ。

本当にそうなんですよ。紙の本は売れなかったら1週間で棚の隅に追いやられて、もう世の中から消えてしまう。でもオンラインの情報はずっと残りますからね。なぜ紙にこだわるのか、私にも正直理解できないんですけど。

やっぱり本屋に平積みされているイメージが記憶に刻まれている世代なんでしょうね。でもブランディングに使うなら、もうウェブマガジンやポッドキャストの方を推奨します。自分も元本屋だからこそ、よくわかるんです。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

















