第25回 万代のオンラインショップ構想

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第25回 万代のオンラインショップ構想

安田

万代さんのお店はアミューズメントの要素を積極的に取り入れていて、ワクワク感満載ですよね。一方オンラインショップもやられているかと思うんですが、こちらはいかがですか?


倉橋

今はまだ一般的なECサイトに留まってしまっていますが、もっとワクワクを感じてもらえるよう鋭意開発中です。求めている商品がパッと見つかった方がいいのか、それとも辿り着くまでに少し迂回する方が楽しめるのかなど、いろいろと考えているところで。

安田

ほう、なるほど。以前「購買のための3つの導線」という対談でも伺いましたが、「お客さんが購買するための導線」をどう作るかということですね。


倉橋

ええ。リアルの店舗だったら、イチオシ商品がある場合はクリエイティブを駆使して目立たせます。逆に趣味性が高い商品は、路地裏のような少し奥まったところに配置したりして。

安田

ふむふむ。しかしそれをオンライン上で表現しようとすると、リアル店舗とは別の工夫が必要になるわけですね。ネットで物を買うこと自体が既に路地裏のようなものとも言えるわけで。


倉橋
仰る通りなんです。そこからさらに奥に入ったら誰も見つけられなくなってしまう(笑)。とはいえ、そういうところにワクワク感のヒントがあるような気もして。ネットでの買い物でも、「こんなところにあった!」と宝探し的に楽しんでいただくことは可能なんじゃないかって。
安田
ああ、確かに。すぐに思い浮かぶのは、会員専用の隠れページみたいなものですが。

倉橋
それもありますし、楽天、Yahoo!、Amazonの3大ECモールのうち、どこか1つだけでしかそのサービスは受けられない、というような限定施策も打てそうです。
安田

ははぁ、なるほど。そこにしかない、となると確かに探し当てた感じがありますね。ちなみにいま楽天などの名前が出ましたが、ネットで物を売るには大手ECモールが必要不可欠なんですかね?


倉橋

うーん、手数料などを考えたら自社のECサイトで完結できるのが一番なんですけどね。とはいえ自社より圧倒的な集客力があるのは事実なので。

安田
それはそうでしょうね。誰もいない所でポツンと店を出すより、いつもお客さんで賑わっている所に出した方が絶対売れますもんね。

倉橋

そういうことです。その集客力にお金を払っている感じですよね。

安田

なるほどなるほど。では話を戻して、ECサイトに「ワクワク感をどう付与していくか」ということですが、他に何かやってみたいことはありますか?


倉橋
「ライブ販売」は必ず実現したいです。いわゆる「実演販売」のようなものですよね。
安田
ああ、むかし百貨店で「包丁研ぎ」とか「手品のネタ」とかやってたアレですよね。でもそれをどうネット上でやるんです?

倉橋
YouTubeやInstagramなどのライブ機能を使おうかなと思ってます。それらを使ってミュージシャンがコンサートを開催したり、お笑い芸人が漫才を披露したりしてますけど、それができるなら物を売ることもできるだろうなと。
安田

なるほどなぁ。でも、ライブにこだわると効率が下がっちゃいませんか? 録画した動画ならいつでも何度でも見てもらえるわけで、1回使い捨ての動画にするにはもったいない気もするんですけど。


倉橋
いや、そこはやっぱりライブがいいと思います。「これを見れるのは今しかない」という臨場感がワクワクに繋がると思うので。お寿司屋さんでも急に「今入荷したばかりのこのネタどうですか?」なんてやるでしょう? ああいう感じで急に限定商品を出したりしても面白いですよね。
安田

ああ、わかりやすいです(笑)。物販という意味で考えると、「ジャパネットたかた」のオンライン版というイメージですかね。「今から30分だけオペレーターを増やして受け付けます!」とか言われると、「見逃さないようにしなきゃ!」と思いますもんね(笑)。


倉橋
そうそう(笑)。それからオークション形式もライブと相性がいいと思います。弊社では月に1回仙台の会場でオークションを開催してるんですが、それをオンラインにもって来れたらおもしろいだろうなと。
安田

へぇ。オークションというと、MCの人がいて「こちらのバッグは5万円!7万円!」と落札価格を決めていくあれですか。それをオンラインでやるとなると、MCにはさらにスキルが求められそうですね。


倉橋
さすがよくわかってらっしゃいますね。オークションの売上はMCの腕次第なんです。そういう意味ではやっぱりジャパネットたかた創業者の高田さんはすごいですよね。オークションとライブ販売の違いはあれど、見ている人を興奮させてお得感を感じさせ、最終的に購買に繋げているわけで。
安田
ああ、確かにそうですね。かく言う万代さんにもそういうMCのスペシャリストはいるんですか?
倉橋
ええ、もう10年くらいオークションのMCをやってもらっている人がいます。月1日の稼働で出来高制なんですが、スキルの高い方なのでかなり稼いでますね。
安田
月に1日しか働かずに稼げるんですか! それを聞いたら万代さんでライブ販売のMCをやりたいという人もいるんじゃないですか。
倉橋
そういう方がいたらぜひお話したいです!
安田
どれくらい稼げるかも自分の腕次第ということですからね。売上によっては月1日の稼働で100万円くらい稼げるかもしれないわけですよね。
倉橋
そうですね。それくらいスキルのある方だったらむしろこちらからお願いしたいくらいです!

対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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