“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第32回 万代は世襲大反対!
前回のお話では、倉橋さん以上に優秀な社員が出てきたら、万代の社長をやってもらってもいいということでしたけど。それは本気なんですか?
ええ。というのも僕は世襲大反対なんですよ。会社にとって世襲って何のメリットも感じられなくて。
へぇ、そうなんですか。つまり倉橋さんは、自分の子どもに事業承継をしないということですよね。子どもに経営者としての能力がなければ仕方ないと思うんですけど、優秀な場合であっても世襲には反対ですか?
私も個人的には同意見なんですが、現実問題として社長が借り入れの連帯保証をしていた場合に、次の社長に連帯保証を引き継ぐわけにもいきませんよね。そんなリスクを背負ってまで事業を継ぎたいという人はなかなかいないでしょう。
だとしても、世襲よりはいいと思いますね。皆が横並びで頑張ってきた中で、突然社長の身内が出てきたら、社員たちは「やっぱり社長の家族を繁栄させるために働いてるのか」と思ってしまうんじゃないでしょうか。
心情としてはそうでしょうね。とはいえ、世襲しないとなると内部で誰かに引き継ぐか、外部から優秀な人を引っ張ってくるしかないわけで。
社内から候補が出てきてくれるのが理想ですけど、外部の人でも、今働いているメンバーの雇用を継続してくれる人であればいいのかなと。僕も50代になって、「そういうことも考えなければいけないな」と思うようになりました。
できればあと10年はやりたいですね。というのも、海外でビジネスをやりたいなぁとずっと思っていて。
いいですねぇ。でも10年なんてあっという間でしょうね。
でもそうすると、いずれお子さんがその株を承継するわけで。そこでお子さんが「俺が社長をやる!」と言い出したら、誰も止められないんじゃないかと思うんですが。
ああ、なるほど。とはいえすべての株を社員に配れるかというと、またそれも難しい。私自身は経験がありませんが、皆そこで悩んでますよね。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。