第32回 万代は世襲大反対!

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第32回 万代は世襲大反対!

安田

前回のお話では、倉橋さん以上に優秀な社員が出てきたら、万代の社長をやってもらってもいいということでしたけど。それは本気なんですか?


倉橋

ええ。というのも僕は世襲大反対なんですよ。会社にとって世襲って何のメリットも感じられなくて。

安田

へぇ、そうなんですか。つまり倉橋さんは、自分の子どもに事業承継をしないということですよね。子どもに経営者としての能力がなければ仕方ないと思うんですけど、優秀な場合であっても世襲には反対ですか?


倉橋
そうですね。だって、それまで頑張ってきた幹部が報われないじゃないですか。もし自分の子どもが優秀なんだったら、万代じゃない他の会社を自分でやってもらった方がいいだろうなと思います。
安田

私も個人的には同意見なんですが、現実問題として社長が借り入れの連帯保証をしていた場合に、次の社長に連帯保証を引き継ぐわけにもいきませんよね。そんなリスクを背負ってまで事業を継ぎたいという人はなかなかいないでしょう。


倉橋
ええ。社員が事業承継することの難しさはそこにありますよね。株式を買い取らないといけなかったりもするし。
安田
そうそう。子どもだったら自社株を相続してオーナー社長になれますけど、社員だったら株式を買い取る資金力がない場合がほとんどでしょう? そうすると仮に会社を継承しても、サラリーマン社長になるしかない気もするんです。

倉橋

だとしても、世襲よりはいいと思いますね。皆が横並びで頑張ってきた中で、突然社長の身内が出てきたら、社員たちは「やっぱり社長の家族を繁栄させるために働いてるのか」と思ってしまうんじゃないでしょうか。

安田

心情としてはそうでしょうね。とはいえ、世襲しないとなると内部で誰かに引き継ぐか、外部から優秀な人を引っ張ってくるしかないわけで。


倉橋

社内から候補が出てきてくれるのが理想ですけど、外部の人でも、今働いているメンバーの雇用を継続してくれる人であればいいのかなと。僕も50代になって、「そういうことも考えなければいけないな」と思うようになりました。

安田
確かにだんだんとそういう話が身近になってきますよね。ちなみに倉橋さんは何歳くらいまで社長をやる予定なんですか?

倉橋

できればあと10年はやりたいですね。というのも、海外でビジネスをやりたいなぁとずっと思っていて。

安田

いいですねぇ。でも10年なんてあっという間でしょうね。


倉橋
そうなんです。だから体が元気で頭の使えるうちに頑張らないとと思って。いま外部の人とコンタクトを取ったり、いろいろと準備をしているところです。
安田
なるほど。10年後くらいに社長交代のタイミングということですね。ちなみに経営は外部の人に任せたとしても、株は倉橋さんが持つんですよね。

倉橋
まぁ、そうなるでしょうね。
安田

でもそうすると、いずれお子さんがその株を承継するわけで。そこでお子さんが「俺が社長をやる!」と言い出したら、誰も止められないんじゃないかと思うんですが。


倉橋
ええ、株を承継するとそういうリスクがありますよね。そうならないためにも「世襲をしない」ということを明示して、株式公開も含めていろんな選択肢を考えています。持ち株制度のように社員にも株を持ってもらったり。
安田

ああ、なるほど。とはいえすべての株を社員に配れるかというと、またそれも難しい。私自身は経験がありませんが、皆そこで悩んでますよね。


倉橋
世襲をするかしないかというのは大きな分岐点ですからね。今のところ自分の選択はいい方向に行ってる気がします。「自分にも社長になるチャンスがある」と思えるのと、「どうせあの人が社長になるんだろうな」としか思えないのでは、全然心持ちが違いますから。
安田
それはそうですよね。ところで社員さんは、倉橋さんが世襲を考えていないってこと知ってるんですか?

倉橋
「うちは世襲しないよ」っていうことを積極的に公言しているので、皆知ってると思いますね。でも「うちの会社は世襲がないんだ、よかった」なんて誰も言いませんけど(笑)。
安田
思っていてもなかなか口には出せないでしょうね(笑)。ともあれ、万代さんのこの先10年がめちゃくちゃ楽しみです。

 

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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