レスポンスを極める

仕事ができる人はレスポンスが早い。これは数多くの経営者や仕事ができる人の一致した見解である。反応が遅い。返信が遅い。この時点で経営者や発注者は相手を見限ってしまう。もちろん早ければ良いというものではない。そこに質が伴っていなければ「使えないやつ」という烙印を押されるだろう。

逆に言えばレスポンスが早く、常に的確な返信をする人は「コイツはできる」と一目置かれるのである。「人は見た目が9割」「営業は最初の3分で決まる」などと言われるように人間は相手を第一印象で判断する。しかも現代は驚くほどの情報過多社会。いちいち全ての情報をチェックすることなど不可能だ。

「使える人材かどうか」「付き合う会社かどうか」「購入していい店かどうか」は第一印象で判断される。顧客からの「問合せ」「要望」「質問」にどう答えるか。最初のレスポンスがビジネスの成否を8~9割決定するのである。

もっと収益を増やしたい。利益率を上げていきたい。本気でそう考えるのなら取り組むべきはレスポンスである。ここを磨くことで契約率、契約単価、リピート率、紹介数が劇的に改善される。いかに素早く、いかに相手の役に立つ返信をするか。ここを徹底的に極めていくのだ。

できる営業マンは例外なくレスポンスが早い。そして質も高い。それは営業とレスポンスに共通するスキルが多いからである。彼らは別に口達者な人ではない。相手が抱える課題を的確に把握し、求める答えをドンピシャで提案できる人なのだ。なぜそのような曲芸的な受け答えができるのか。それは事前に準備しているからである。

手に入る情報から相手の課題を予測する。今やっていそうな対策を予想する。その上で斬新かつ明快な解決策を考え初対面の時に何気なく提案する。相手はきっと驚くだろう。初対面でこんな的確な提案ができる人がいるのかと。それは全て事前準備の賜物なのである。

レスポンスも全く同じ。問合せや要望が来る前に的確な答えを用意しておく。答えがあるからレスポンスは早い。そしてもちろん的確だ。事前準備を繰り返すことでレスポンスレベルは確実に上がっていく。頭の中に答えのオプションが蓄積されていくからである。

ストックされた答えの中から近しい答えをチョイスし、それを目の前の顧客に合わせてカスタマイズする。これが出来ればもうレスポンスの達人。どの会社に行っても、フリーになっても、重宝され仕事に困らない人になる。

 

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