第36回 万代流「OBとのつき合い方」

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第36回 万代流「OBとのつき合い方」

安田

万代OBの方が会社を立ち上げて活躍されているのを、倉橋さんのXでよく見かけるんですよ。OBの方が起業するのは、万代さんではよくあることなんですか?


倉橋

そうですね。独立するOBは多いです。「万代OB会」というのがあるんですが、そこでOBのメンバーとも定期的に会って情報交換していて。安田さんもワイキューブ時代の社員さんと今も会われたりしてますよね。

安田

確かに今でも会っている元社員はいますけど、ほんの数名ですよ。万代のOB会は何人ぐらいいるんですか?


倉橋
20人ぐらいですね。経営者もいればライバル会社にお勤めの人もいます(笑)。
安田

へぇ(笑)。それはなかなか気まずそうですけど。


倉橋
いやいや、そんなことないですよ(笑)。実際、僕の方があれこれ教えてもらっています。例えば同じリユースの会社を立ち上げたOBがいるんですが、彼は僕よりECに詳しいわけです。
安田
なるほど。むしろ彼から学ばせてもらっていると。

倉橋

そうなんです。ECは一つの例ですが、そうやって自分にない知識を持っている人も多いので、すごく為になってますよ。

安田

なるほど。でも、その人にとっては大事なノウハウですよね。それで飯を食っているわけで、元社長が頼んだからって簡単に教えてくれるものなんでしょうか。


倉橋

そうなんですけどね(笑)。そこはやっぱり「昔同じ釜の飯を食った仲間」ということで、しょうがないなぁと言いながら教えてくれます。

安田
いい関係ですね。ちなみに「一度は独立したけどまた戻ってくる」という人もいるんですか?

倉橋

ああ、そういう方もけっこう多いですよ。うちとしては全然ウェルカムですし。気心が知れた仲間とまた一緒に働けるのは嬉しいですからね。

安田

へぇ、そうなんですか。「辞めたら二度と敷居を跨ぐな」って経営者も多そうですけど。


倉橋
全然気にしませんね。そもそも僕自身も独立した側の人間で、自分で挑戦してみたい気持ちはすごくわかるし。仮にうまくいかなかったとしても、ウチに戻って来ればいいじゃんと思ってます。
安田
なるほどなぁ。何ら嫌な感情を持たないと。

倉橋
ええ、まったくないです。もちろんそのまま成功してくれたらより嬉しいですけどね。実際、独立後に成功しているメンバーも多いんです。そういう人と会えたり話を聞けるのが素直に嬉しいですね。
安田

きっと、彼らも自分の元上司に褒められたいんですよ(笑)。私も元社員が独立して成功して、それで美味しいご飯をご馳走してくれたりすると……もう感無量ですもん。


倉橋
わかります(笑)。だから真剣に経営のアドバイスをすることもあります。このあいだも商品ラインナップについてアドバイスしたんですが、後日見たらその通りにしてくれてました。
安田

辞めてからの方が素直に社長の言うことを聞くのかもしれないですね(笑)。アドバイスだけじゃなく実際に手伝ってあげることもあるんですか?


倉橋
今のところ協業したり出資したりしたことはないですね。そこだけは僕自身の中で線引きがあるのかもしれない。
安田
なるほど。線引きしているというと一見冷たいようにも見えますけど、「応援してる」とか言いながら結局子会社を作りたいだけの人もいますもんね。「50人の社長を作る!」と言いながら、全員サラリーマン社長だったり。

倉橋
そうですね。やっぱり独立は責任が伴うものなので、ビジネスとして結果を出さないといけないだろうとは思います。その代わり、うまくいかなかった時にはいつでも戻ってきてもらっていいので。
安田

なるほどなぁ。それにしても、評価制度からOBとの付き合い方まで、すごくよく考えられてますよね。

 

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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