第37回 新店ラッシュの裏側にあった26年目の初挑戦

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第37回 新店ラッシュの裏側にあった26年目の初挑戦

安田

最近の万代さんは北海道で新店舗ラッシュですね。新さっぽろ店にもたくさんのお客さんが来店されたとお聞きしました。


倉橋

ありがたいことに、オープン2日間で1万以上のお客様にご来店いただきました。駅直結ビルへの出店は26年の商売人生でも初めての経験だったので、かなりドキドキしてたんですが、よかったです。

安田

確かに、万代さんといえば「ロードサイド」というイメージですもんね。


倉橋
そうなんです。ですからロードサイド店の集客に関してはよく知っているんです。でも今回はJR新札幌駅直結、しかもロフトが入っているような大きな商業施設なので。
安田

やっぱりロードサイドとは勝手が違いますか。


倉橋
違いますね〜。まず必ずしも大きな通りに面している必要がないんです。今回の施設も2階に飲食店が15~6店舗あって、3階がロフト、4階が万代という位置関係で、ロードサイド店の感覚で言えば決して好立地ではない。
安田
なるほど。それでも2日間で1万人も来てくれたわけですもんね。広さはどのくらいなんですか?

倉橋

600坪くらいですね。広さに関してはしっかり確保できました。

安田

広いですね! とはいえ、駅直結でそのくらいの広さだと家賃もかなり高くなりませんか。月数千万円くらいしそうな気がしますけど。


倉橋

いや、そこまではしないです(笑)。実は店舗ビジネスにおけるテナント料って、集客力に応じて変わるんですよ。つまり、集客できる店舗ほどテナント料が安くなる。

安田
そうなんですか! 確かに独立して建っているロードサイド店と違って、商業ビルはお客さんが回遊してくれますもんね。つまり集客できる店舗はビル全体に貢献できると。

倉橋

まさにそういうことです。ちなみに日本で一番安く入れるテナントはユニクロだと言われてますね。

安田

へぇ。つまり「ユニクロが日本で一番集客力がある」と評価されているわけですね。


倉橋
そういうことです。当然万代も集客力での評価を高めていきたいので、たくさんのお客様が来てくれているということをXでも積極的に発信しています。
安田
そうか、それは商業施設に向けたPRも兼ねていると。

倉橋
仰るとおりです。実際いろんなところから「うちに出店しませんか?」というお問い合わせをいただきましたから。
安田

へぇ、すごい。Xの宣伝効果は大きいですね。ちなみに今回はなぜロードサイド店にしなかったんです? 今まで通りロードサイド店でやっていた方が、リスクも抑えられる気がするんですけど。


倉橋
そうですね。確かにロードサイドへの出店を続けていけば大きな失敗はないと思います。でも会社の今後を考えた時に、「販路はロードサイド店のみ」という状態では不安が残るわけです。やはりそれ以外の販路を確立していかないと。
安田

ははぁ、なるほど。実際今回の成功で、ロードサイド店以外、つまり「都市部の商業施設」という販路ができたわけですもんね。リスクはあったけど、それ以上のリターンがあったわけだ。


倉橋
そうなんです。会社としても新たな方向が見えてきた感覚はありますね。ピークタイムや来店手段もロードサイド店とは全然違うので、新たにデータを集めているところです。
安田
確かに違うでしょうね。仕事や学校帰りにフラッと立ち寄る人も多そうです。そうすると集客方法も変わりそうですね。

倉橋
そうですね。ロードサイドでは看板が一番効果的なんですが、今回は電車を利用している人がターゲットになるので、中吊り広告や駅のモニターにも出しました。
安田

なるほどなぁ。今後の店舗展開のパターンにも変化が出てきそうですね。

 

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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