“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第74回 万代が「安い」けど「安売りではない」理由

でも万代さんは「安くたくさん売る」という方向に舵を切ってますよね。それって時代と逆行しているようにも思えるんです。資本力のある大手だったらそういう戦略もわかるんですけど、ディズニーですら「高くて便利な遊園地」に完全に切り替えているわけで。

確かに、なるべく安くたくさんの方に楽しんでいただきたいとは思っています。ただ万代としては、「たくさんのお客様に来ていただく」ということを一番大事にしているんです。だから営業時間もできるだけ長くしますし、価格もなるべく高くならないようにして。

そうですよね。特に今は「高くてもここで食べたい」というお客さんに絞って、しっかり利益を追求する経営者さんが増えていると思うんです。そんな中で、万代さんが「安くたくさん」という、ある意味昔ながらのスタイルを貫いているのはどうしてなんですか?

ほう、なるほど。確かに万代さんは都心ではなく、北海道や東北を中心にどんどん出店してますね。

ええ。たとえどんなにいい戦略でも、ライバルが一つでも増えればマーケットのシェアは取りにくくなります。それなら「ライバルがいないところ×王道の戦略」で戦えば、シェアがとりやすいのでは、と考えたんです。

なるほどなぁ。ただね、これは私の先入観もあるかもしれないんですが、安さを求める人って要望が強すぎる気がするんです。例えば「コンビニの接客サービスが悪い」と店長を呼び出したり。コンビニに一流ホテルの接客を求めてしまうというか。

ははぁ、なるほど。一般的な家庭の世帯年収が下がっているから、その人たちが楽しめる金額設定にしているわけですね。しかも特に安売りしているというわけでなく、他の娯楽が高くなりすぎていて、万代さんが相対的に安く見えると。

そういうことです。移動費も宿泊費も、軒並み上がってますからね。SNSを見ていても、家族で遊びに行ったという投稿を見かけることが極端に減りましたし。選挙で「手取りを増やす」という公約が支持されたのも、それだけ手取りが上がっていないからで。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。