第92回 経営者が今、最もアップデートすべきもの

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第92回 経営者が今、最もアップデートすべきもの

安田

倉橋さんのXを読んでいると、知識だけじゃなく価値観もアップデートされているなぁと思うんです。海外視察なんかもその一環だと思うんですが、他に意識してやってることはありますか? 例えば新聞を読むとか。


倉橋

実は新聞は読まないんですよ。日経新聞も10年くらい読んでないですね。唯一読むのは日経MJくらいで、それもじっくり読むというよりは流し読み程度です。あとはNewsPicksで気になる記事だけ読むとか。

安田

なるほど。ビジネス書とかはどうですか?


倉橋

ビジネス書はそれなりに読みます。月に3~4冊くらいかな。最近だと星野リゾートさんの『ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』という新刊を読みました。

安田

へぇ、そうなんですね。今はITやAIの勉強が必須と言われてますけど、そういうことについても本で勉強したりするんですか?


倉橋

AIに関しては先生について月1回教えてもらってます。最初の導入部分があまりにもわからなすぎたので。ちなみにSNSもその先生に教えてもらったんですけど。

安田

ほう、なるほど。AIとかIT系の知識やスキルを教えてくれる家庭教師みたいな人がいると。やっぱりそうやってきちんと勉強されているんですねぇ。


倉橋

うーん、まぁ最低限は知っておかないと、という感じですね。あとは実際に自分の目で見て体験して知ることが大事かなと。例えば円安だと頭ではわかっていても、日本国内にいるとあまり実感が湧かないじゃないですか。

安田

確かに、「5年前と比べて円の価値が半分になった」と言われてもピンとこない人が多いでしょうね。


倉橋

そうそう。「1万円が5000円になった」と言われても実感がない。でも海外に行ったら、以前は1000円で買えていたものが2000~3000円になってたりするんです。その国で働く人の見た目もなんだか裕福になっている。

安田

へぇ、なるほど。それは確かに日本にいるとわからないですね。


倉橋

でもそういう感覚こそ大事だと思うんです。例えば電車に乗ったら乗客を見て「インフレじゃなくなってるな」と感じられるかどうか。外国でビジネスするなら「これから所得が上がっていく人たち」をターゲットにできるけど、日本でビジネスするならその逆になる。

安田

ああ、なるほど。たとえば東南アジアで数ヶ月過ごして日本に帰ってきた時には、「なんだか活気のない国だな」なんて感じたりするんですか?

倉橋

まさにその感覚です。羽田空港からモノレールに乗って、山手線に乗った辺りですごく感じます。逆にタイやベトナムやフィリピンは、以前よりどんどん活気が出てきていますね。

安田

日本で働いてる方が裕福なイメージがありましたけど、もう今はそんなことないんでしょうね。先日も東南アジアから帰国した友人とお寿司屋さんに行ったんです。そしたら「円安で大変だろうから、出しますよ」なんて言われちゃって。

倉橋

実際、向こうの方が全然稼げますからね。所得が上がってる分、幸福度も高い気がします。

安田

若い人も「日本で働きたい」と言わなくなってきたらしいですから。日本は「遊びに行くところ」であって、「働いて稼ぐところ」ではなくなってしまった。

倉橋

そうなんですよ。そういう感覚を得るのって、やっぱり日本にいるだけじゃ難しくて。日本の外に出て初めてわかるんです。海外と日本では、ビジネスのすそ野も全く違うので。

安田

なるほど。そういう感覚を養うためにも、特に経営者は海外に行った方がいいということですね。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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