第87回 名探偵の思考法

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ 名探偵の思考法

「このたびはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。日頃よりミスが生じないよう万全の注意を払っていましたが、今後、このようなことが起きぬよう精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします」

先日、大手S社さんの社内研修に同席しました。上記の「伝わらないお詫び」について、「なぜ伝わらないか」を題材に「自分の頭で考える」トレーニングをおこなっていました。

背景としては、「万全の注意を払っていたのに、なぜミスが起きたのか?」「精一杯頑張るって、何をどうするの?」「もっと自分で考えてほしい」という上司の日常の悩みがあったようです。

人事マネジャーKさんが講義を進めていましたが、興味深かったのが「自分の頭で考える方法」を解説していたこと。

「わたしたちが学校で習ってきた思考法のほとんどが、決められたひとつの答えを導き出すための暗記と応用であり、決まった答えのない問題や、答えや問題をも自らが創り出すような場合の、“自分の頭で考える方法”を習ったことがない人がほとんどです」

と話すKさんが解説していたのは、以下の決まり。

・問題に直面した時に、すぐに答えを探さない

・問題に対して、小さな問いから大きな問いへと上げて、自問自答する

たった二つのルールを定めることが大切だと伝えていました。

冒頭の「伝わらないお詫び」を例にすると、

・そもそも何を詫びるのか?
・ミスが生じた時はどんな状況?
・ミスが生じた時の感情は?
・それまでの生活態度や精神状況は?
・いまの率直な感情、正直な気持ちは?

こんな感じで、小さな問いから、くりかえし自問自答をする訓練を粘り強く続けることで、「考える力」が養われていくのだそうです。

「コナンくんや金田一耕助、シャーロックホームズを見ていて気づいた」とKさんは話していましたが、名探偵には「問い」こそが「大きな武器」となるのですね。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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