第110回 つつましやかに。ひかえめに。

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ つつましやかに。ひかえめに。

先日、大手メーカーさんにて、年明け最初の仕事、「OJTリーダー研修」を開催いただきました。

現場リーダーとして、率先した行動で成果を生み出すことはもちろん、若手の育成、ベテランとのパイプ役、管理職のサポートなど、多くのことが期待される方々が集まりましたが、近況共有の際に、以下のような雑談を耳にしました。

「『仕事行きたくない、けど・・・』のツイート見た? 余裕で『10万越えのいいね!』がついてるみたいよ?」

と、どなたかの投げかけから、

「見た!見た!」「結局、来ちゃうけど。行くまでがマジで辛いよなw」「でも仕事って大事よな?」「なんか夢中になれるし、帰りはホッと安心もするしさ」「マジメかっ!」

と、年始に話題となったというtweetについて盛り上がっているようでした。

近況ついでに、「上司からのコメント」についても話していたのですが、

(彼らは、「OJTリーダーとしての期待」を、職場上司から伝えられて参加しています)

コメントの多くは、以下のようなものだったようで、

・「謙虚な姿勢」を若手に伝えてほしい
・「謙虚な態度」でベテランから学んでほしい
・上司からのフィードバックを「謙虚に受け入れ」、成長につなげてほしい

そこかしこに「謙虚」の文字が見受けられました。

別の一人が、

「年明け、現場に来たら、先輩たちが話していたのだけど・・・」

「青森山田のサッカーにも、もう少し“謙虚さ”が見られると良かったよな。なんか高校生っぽくないよな」

「とか、」

「天心と武尊のビッグマッチだけど、“謙虚で”大人な武尊を応援するわ。天心は調子に乗ってるし。まだガキよな」

「とか、言うわけよ?」

「正直、『謙虚の押しつけ』ばかりしてくるオッサンらって、なんの魅力も感じないし、息苦しいわな。ま、それがオッサンらの仕事なのかもしれないけど、もっと違う役を演じたらいいのになw」

「人生でどんな役を演じたいのか?」

改めて自問した仕事始めでした。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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