第150回 緊張の正体

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/緊張の正体

あなたは

「緊張しやすい人」ですか?

それとも、

あまり「緊張しない人」ですか?

医学的には、

「緊張」とは脳内ホルモンの一種である、ノルアドレナリンが過剰に分泌されることで、交感神経が活発になりすぎて自律神経の「バランスが崩れてしまう状態のこと」をいうようです。

結果として、

心拍数が上がり、動悸が激しくなったり、手足や声が震えたり、冷や汗が出たり、顔が火照ったり、赤面する、といった症状がもたらされるようなのです。

・初対面の人と会う時
・大勢の人の前で話をする時
・苦手な上司と接する時
・知り合いが一人もいない会合に参加する時
・重要な案件のプレゼンテーション時

などに、

緊張やプレッシャー、ポジティブではない感情を抱く方が多くいるのかと思います。

某大手さんでの「プレゼンテーション研修」の際に、人事部長のAさんが「緊張」について語っていました。

・相手の期待に応えなきゃ
・何事も完璧にやり遂げなきゃ
・きちんと責任を果たさなきゃ
・なんとか、無事に乗り切りたい、、

「緊張しやすい人は、上記のような『思考のクセ』があり、みなさんのような『責任感が強く、真面目な人』に多いよね」

「事前に話してはいなかったけど、今日の研修では、それぞれのプレゼンの様子を撮影して、社内に公開しますが、ぜひ、リラックスして、臨んでくださいね」

そんなメッセージから、研修がスタートしたのですが、、、

「いったい、なんのため?」の話だったのでしょう。。

「リラックスして」とは話していましたが、受講生のみなさんのご表情を見ると、「緊張感を煽っていただけ」のように感じました。。

個人的には、

「緊張は不要ではない」と思っています。

ワールドシリーズ進出を目指してマウンドに立つ、ダルビッシュ投手には、緊張感もあるように見えました。

オリンピック、100メートル走、決勝。スタート直前のスプリンターたちにも、緊張は存在していることと思います。

ダルビッシュさんや、スプリンターにはもちろん、

多くの人の前で、手や声が少し震えながらも、さらには、言葉も噛みながらではあっても、真剣な眼差しで、プレゼンテーションをしている人を見た時などに、

嫌な気持ちに、ぼくはなりません。

きっと、

「頑張れ!」と応援したい気持ちになったり、好感や好意を持ったりすると思うのです。

緊張している人は、一生懸命な人。真剣な人。頑張っている人。

みなさん、頑張ってほしいな、と願った時間でした。

(準備不足が原因で、緊張してしまう方は、入念なご準備をお忘れなきように!!)

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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