経営者のための映画講座 第68作『フォレスト・ガンプ』

このコラムについて

経営者諸氏、近頃、映画を観ていますか?なになに、忙しくてそれどころじゃない?おやおや、それはいけませんね。ならば、おひとつ、コラムでも。挑戦と挫折、成功と失敗、希望と絶望、金とSEX、友情と裏切り…。映画のなかでいくたびも描かれ、ビジネスの世界にも通ずるテーマを取り上げてご紹介します。著者は、元経営者で、現在は芸術系専門学校にて映像クラスの講師をつとめる映画人。公開は、毎週木曜日21時。夜のひとときを、読むロードショーでお愉しみください。

『フォレスト・ガンプ』に学ぶ神様との仲直り。

『フォレスト・ガンプ』という映画を一言で伝えるとしたら、頭は少し弱いけれど、清らかな心と人並みはずれた足の速さを持った男の波乱万丈の物語、と言うことになるだろう。

漫画のような出来事も多いので、ある意味、寓話的な作品に仕上がっている。それ故に、この作品には名言が多いのだが、私が好きなのは、主人公の次の次くらいに重要な登場人物、ダン中尉に向けてガンプが思う言葉だ。ダン中尉はベトナムでガンプの上官として優しい人柄と統率力を発揮するのだが、戦闘中に両足を膝から下で切断してしまう。それから彼は、世を儚み、夢も希望もなくしてしまう。

ベトナムから帰ってからも、ダン中尉は何に対してもヤケクソ気味で無気力だ。しかし、ガンプとともに行動することで彼は生きる意欲を取り戻す。その時、ガンプは思うのだ。「ダン中尉はきっと神様と仲直りしたんだ」と。この言葉を聞くと私は「人生はいつでもやり直せる。だって、神様と仲直りすれば良いんだから」と、なんだかほっとした気持ちになる。

神様なんていないと悪態をついているうちは、きっとうまくいくものもうまくはいかない。けれど、こちらが仲直りしようと思っていたら、いつか神様が微笑んでくれることがある。ここが難しいところだけど、いつでも仲直りしてくれるわけではなさそうだ。でも、こっちが仲直りを望まない限り、その日は来ない。

この話を経営に結びつけるのはちょっと無理があるかもしれない。でも、もしも今が苦しくても、いつかは!と思えない仕事なら続くはずはないし、神様だって見向きもしないはずだ。これはたぶん、神頼みという話とは違う。

著者について

植松 眞人(うえまつ まさと)
兵庫県生まれ。
大阪の映画学校で高林陽一、としおかたかおに師事。
宝塚、京都の撮影所で助監督を数年間。
25歳で広告の世界へ入り、広告制作会社勤務を経て、自ら広告・映像制作会社設立。25年以上に渡って経営に携わる。現在は母校ビジュアルアーツ専門学校で講師。映画監督、CMディレクターなど、多くの映像クリエーターを世に送り出す。
なら国際映画祭・学生部門『NARA-wave』選考委員。

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