第175回 私の存在意義

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/私の存在意義

先日、「サイゼリヤ警察」「活動辞退」を表明したことが大いに話題となりました。

「サイゼリヤ警察」とは、イタリア料理チェーン大手「サイゼリヤ」の誤った呼び方に、Twitterでダメ出しをし続けてきた方のこと。

プロフィールには、「株式会社サイゼリヤとは一切関係ありません」の断りとともに「サイゼリアではなくサイゼリヤです」「発見次第、摘発します」と載せ、Twitter上で「サイゼリア関連」の投稿を見つけるたび、注意喚起するといった活動をしてきたようなのですが、

Twitterでのやり取りの中で、サイゼリヤ創業者の正垣会長がTV東京「カンブリア宮殿」にて「サイゼリ『ア』でも『ヤ』でも、どっちでもいい」と発言していた事実を知ることになり、、、「そうなの?!」と驚き、、「活動の目的を失いました。。」と活動辞退を表明することになったのです。

このことが注目を集め、先月末には、Twitterにてトレンド入りもしているのですが、

以降、各種SNSでは、

・何回かサイゼリヤ警察に踏み込まれたな。懐かしい、、

・あの時は過ちに気づかせてくれてありがとう

など、過去に摘発を受けた人たちの声や

・知らなかったけど、なんだか可愛らしいなあ

・初めてこの人を知ったけど、3年以上続けてきた活動が実はどっちでも良かったと知ってすんなり認めるのはすごい!!

・存在意義を見失ってしまう出来事なのに、素直なお方ですね!

・他人の意見に耳を傾ける素直さは素晴らしいと思います!

などとお人柄を賞賛する声、

そして、

「シャープ」の公式ツイッターでは、「転職はキヤノン警察をおすすめします」と返すなど、

さらに盛り上がりを見せているのです。

さらには、

×キャノン ○キヤノン
×キューピー ○キユーピー
×富士フィルム ○富士フイルム
×オンキョー ○オンキヨー
×シャチハタ ○シヤチハタ
×ジャトコ ○ジヤトコ
×三和シャッター工業 ○三和シヤッター工業
×イトーヨーカドー ○イトーヨーカ堂
×ビッグカメラ ○ビックカメラ
×NEC(ニホンデンキ) ○NEC(ニッポンデンキ)

などと、間違えやすい社名をおまとめくださっている方もいるのです。

SNSでの笑えるニュースでしたが、

自分自身の「存在意義」を大いに考える機会をいただけました。

ちなみに、サイゼリヤ社の広報は、「SNSでの発信に対して介入は行っておらず、弊社よりコメントは控えさせていただきます」と、ちょっとつれないご様子でした。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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