このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/自社商品の取り扱い
先日、「大手自動車メーカー数社」の若手さん、ベテランさんとお会いしましたが、「日鉄さんのUSスチール買収」について様々な切り口から「興味深い考え」をお聞かせいただきました。
「自動車と鉄の関係」は密接でしょうから、なかなかに大きな出来事のようで、時に深刻な面持ちでお話される方もいて、何やら「重厚長大」な雰囲気を感じる場でありました。(こちらについては、別の機会に!)
場の空気を読めない私ですので、雑談がてら「みなさん、おクルマは自社のものに乗っているんですか?」なんて聞いてみましたら、
「僕はそう。私もそうです」なんて声もありますが、「俺は外車です」なんて声も。
個人の趣味嗜好もございますから、まあ当たり前のことですよね。
すると、
「じゃあ、駐車場は遠い場所に止めさせられているんですか?」と、笑いながらベテランさんが聞くのです。
「いやいや昔はそうでしたけど、流石に今は違いますよ」
「社内駐車場は、もう自由に止めてよくなりましたよ」
「ウチもそうですよ。変わりましたよね!」
と、ベテラン勢が大いに盛り上がるのです。
かつては、TもNも「自社以外のクルマに乗っている社員」は、「エントランスから離れた場所」に止めなくてはいけなかったようで、そんな「暗黙のルール」が存在していたようなのです。
若手さんたちは、そのような過去を知らない方々ばかりで。
彼らの声も伺ってみますと、、
「ぼくは所有してないですよ」「今どきはカーシェアで十分でしょ」と多くの声が上がっていました。
「時代は変わったよな」とベテランさんたちがしみじみ漏らしておりましたが、「法務部門」に所属しているという若手さんが、「自爆営業はパワハラですよ。厚労省が防止法指針に明記することになってるでしょ」とピシャリ。
「自爆営業」とは、なんだか厳ついイメージを与えるネガティブ要素がつまった言葉ですが、法務の若手さんによれば、
・会社側がノルマを達成できない社員に自腹契約を結ばせる
・不要な商品の購入を強要する
・農協職員が共済の掛け金を支払う
・自動車販売店の社員が値引き分を負担する
「様々な業界に根強く残っている悪しき風習ですよね」
「社員の意志に関係なく商品を購入させた人は、刑法第223条1項に抵触し、3年以下の懲役に処せられる可能性があるんですよ」
いやはや、社員用の駐車場なんですから、自由に止められなかった「過去が歪」だったのかもしれませんね、、