庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第106回 会社の庭を「資産」に変える、ブランディングの新発想

そうですよね。枝が伸び放題になっていたり落ち葉が散らかっていたりしたら、マイナスプロモーションどころか苦情が来ちゃいそうですし。ちなみに企業の庭づくりってどうやるんですか? 個人宅と違って好みで作るとかじゃなさそうですけど。

そもそも工場やオフィスでは緑地帯を設ける義務があるんですよね。それで仕方なく、という場合は本当に最低限の木を植えて終わりというケースも多いですね。

いいですね! しかも中島さんの作るような素敵な庭なら、お客さんや就職希望者が写真を撮ってSNSにアップしてくれたりして、それだけで宣伝効果が生まれそうです。ブランディング的にもバッチリですよね。

僕自身もそういう部分でお役に立てればと考えています。なるべく維持の手間がかからず、さらにブランディングにもつながるお庭にできればと。

もちろんケースバイケースですし、企業様の要望にもよりますが、一番は「印象の明るさ」ですね。伸び放題の木が建物を覆ってしまうと鬱蒼とした雰囲気になってしまうので、そこを整えることで建物がしっかり見えて、爽やかで開放感のあるイメージになります。

以前お話をお聞きした治療院さんも、「お姫様のような気分になれるお庭で、通院が楽しみになった」と仰ってましたよね。

そんなに雰囲気が変わったんですね(笑)。素晴らしい。東京のオフィスでも、立派な木があるのに逆に威圧感や暗さを感じさせるところが多い気がして。もっと親しみやすくておしゃれな庭にすればいいのに、と常々思ってるんです。

ありがとうございます。そのために3年間のメンテナンスをセットにしています。作って終わりではなく、企業にとって長期的な資産になるお庭を提供できればと。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。