庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第24回 ルーフガーデンの魅力
そうですね。最初はむしろ、「虫が来るから木は植えなくていい」と仰られていて。というか、そもそもは「お庭」ではなく「外構」のご依頼だったんですよね。
えっ? そこから一体どうやってこんな素敵なルーフガーデンを作るに至るのか、全く想像がつかないんですが(笑)。
どうやってお客様を説得したんです?
うーん、説得という感じでもなかったです。もともとお客様は事前に外構の雑誌などをご覧になっていて、どちらかというと無機質な雰囲気を気に入ってらしたんですね。その延長で、「木も極力減らしてほしい」と仰っていた。
そうなんです。庭を作っていく中で、「もっともっと植えていいんじゃないか」と思ってもらえたみたいで。「もうこれで木を植えるのはおしまいなの?」なんて言われたり(笑)。
へぇ。そしてさらにそこからルーフガーデンまで作るわけですか。
「虫が来るのが嫌だから植物はいらない」と仰っていた方が、すごい変化をされたんですね。
そうなんです。完成が近づくにつれて、どんどん植物を好きになっていただけました。一度お食事に呼んでいただいたんですが、すごく気に入ってくださっていて。私としても本当に嬉しくて。先日も忘年会にお邪魔させていただきました。
お手入れを考えると常緑樹がおすすめですね。落葉樹だと掃除が大変だったりするので。
そうなんですよ。緑化マットのおかげで、提案内容の幅も広がりました。
都心のビルの屋上でルーフガーデンが作れるということですもんね。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。