庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第40回 桜の枝は切るべきか切らざるべきか

【桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿】っていうことわざがあるじゃないですか。要は、桜は剪定が難しいから切ってはいけない。逆に梅はしっかり剪定しないといい実がつかない、というような意味だと思うんですが、実際桜の剪定って難しいんですか?

ええ、桜の剪定はなかなか難しいですよ。というのも、切り口が治りにくく、その部分に菌が入って腐ってしまって、結果木全体が弱ってしまうこともあるんです。絶対に切ってはいけないわけではないんですが、切り方などに注意が必要です。

梅は伸びるのも早いですし、安田さんが冒頭仰ったように、無駄な枝を切らないとよい花や実がつかなくなってしまいます。そういう意味ではことわざ通り、しっかり切ってあげた方がいいと思いますね。もっとも、やたらめったら切るわけじゃなく、樹形が崩れないよう、景観も見ながら切ってあげてほしいですけど。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。