「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第21回 不正を生み出してしまう環境とは

個人的にはそう思います。あれだけ大きな会社の社長さんだと、現場のことを事細かく見ることはできないはずです。全体の現場責任者だった副社長以下、各店舗をまとめる店長などのマネジメントに問題があったんじゃないかなと思いますね。

そうですよね。今回の件で言えば、冒頭安田さんが仰ったように、「業績を上げろ」という上からのプレッシャーが原因だと思います。「不正をしてでも目標を達成しないと」と思ってしまうくらい強いプレッシャーだったんでしょうね。

そうでしょうねぇ。ただ、それだと話が堂々巡りになってしまいます。会社は社員にプレッシャーを与えるもの、社員は何としてでも業績を上げる。その理屈が成り立つ以上、どこかでまた今回のようなことが起こってしまう。

確かに、上の人間が「できるだけ利益を上げろ」「目標は絶対に達成しろ」とけしかけるのは、ある意味当然のことではあります。ただ、実際に現場で勤務している側との認識には誤差があることを忘れてはいけません。

そうですそうです。ビッグモーターでは上の人間が頻繁に店舗調査をしていたという話もあるじゃないですか。そこで偉そうに権力を振りかざすのではなく、しっかり現場の声を吸い上げてあげればよかったのにって思います。それで「いま現場はこんなに苦しいですよ」と役員や社長に進言すべきだったんじゃないかなと。

ともあれ、社長・副社長ともに「顧客満足より業績」という意識でいたら、もうお手上げというか。お客さんの不利益になろうが構わない。サービスや商品のクオリティは後回しだ。そんな風に考えている人が、現場の気持ちを慮ってくれるとは思えません。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。