第43回 ギブの精神で、幸せな人生を手に入れる。

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第43回 ギブの精神で、幸せな人生を手に入れる。

安田

今日は「ギブ・アンド・テイク」ということについて、中辻さんのお考えも聞かせていただこうかと思います。


中辻

ギブ・アンド・テイクですか。安田さんが大好きなお話ですね(笑)。

安田

はい、よくいろんなところでこの話をしています(笑)。でも私が人に「ギブ」することが好きになったのって、ある程度歳を取ってからだったんですよ。それまではいかに自分が損せずに得できるかということばかり考えて生きてきたので(笑)。


中辻

へ〜意外ですね!(笑)

安田

ただいろいろと経験をしていくなかで「自分さえよければ良い」というような考え方では結局うまくいかないことにだんだん気づいたんです。中辻さんは根っからの「ギブ精神」をお持ちだと思いますが、どうですか?


中辻

ええ。自分で言うのもなんですが、私はかなり「ギブ寄りのギブ」タイプだと思います(笑)。

安田

ですよね(笑)。お仕事ぶりをみていても、会社に必要とされるために何をしたらいいのかというのを自分の枠を超えてやっているなと感じますね。というか、仕事と関係なく、いろんな人にギブしているイメージがありますよ。


中辻

そうですか? そう思っていただけるなら嬉しいですね(笑)。

安田

とはいえ、そういう「ギブの精神」って、自分に余裕がなければできないんじゃないかと思うわけですよ。


中辻

あぁ、なるほど。

安田

中辻さんは昔から波乱万丈な人生を送られていて、決して余裕があったわけではないと思うんです。それなのにどうして人に親切にできているのかと不思議なんですよね。もしかして、ギブし続けてきたから結果的に余裕のある人間になれたんですか?


中辻

いえいえ、私も自分に余裕が全然なかった時は、人間的にもっとトゲトゲしてましたよ。

安田

あ、中辻さんにもそういう時があったんですね(笑)。


中辻

ありましたよー!(笑) 金銭面やプライベートのことで悩んでいる時なんかは、今のように相手のことを考えることなんて全くできていませんでしたから。

安田

そういえば以前のお話の中でも、街でぶつかって喧嘩していたって仰っていましたっけ(笑)。あの頃は余裕がなかった?


中辻

仰る通りです(笑)。というか余裕がないと人に対して攻撃的になりますよね。ちょっと何か言われただけでイラッとしたり、わざと余計な一言を言って相手を不快にさせたりとか。

安田

なるほど。ただ、私が中辻さんに初めて出会った頃って、たぶんまだそれほど余裕がある状態ではなかったと思うんです。でも当時から中辻さんは、会社に対する「ギブ」が、やりすぎじゃないのと思うくらいやっていたイメージがあるんですが。


中辻

ペイント王に入社した頃のことですよね? へぇ、そんな風に見ていただいてたんですね!

安田

いや、本当に。よくこの給料で、こんなに一生懸命に会社や社長の事を考えて、自分の能力を出し惜しみすることなく貢献しようとしているなあと感心していました。


中辻

ありがとうございます(笑)。でもたぶんそれは、私の中では「ギブ」ではなかったと思います。

安田

え、違ったんですか?


中辻

はい。ペイント王で働き始めた頃は、とにかく社長の久保さんの期待に応えたい、認められたい、周りの社員を見返してやりたい、という気持ちが強くて。なかば意地になって頑張っていた時で。

安田

へぇ、そうだったんですか。


中辻

もちろんそれが結果として、多少なりとも会社のためにはなっていたと思います。でもそれは私の「心からのギブ」ではなかったですね(笑)。

安田

そうだったんですか。それは気づきませんでした(笑)。じゃあ中辻さんの中で、本当の意味で「ギブ」できるようになったのっていつ頃でしたか?


中辻

30歳を超えたくらいですかね。仕事もプライベートもようやく落ち着いてきて、ちょっと余裕が出てきた頃です。

安田

なるほど。やっぱり自分に余裕が出来たことで、ようやくギブできる精神状態になるというわけですね。


中辻

はい、そう思います。

安田

今の中辻さんは、お客さんに対しても会社に対しても、返ってくる「リターン」のことを何も考えず、自分の持てる力を出し惜しみしていないように見えます。ギブするときに何か心がけていることってあるんでしょうか?


中辻

うーん、特にないかもしれない。だって例えば仕事でも、自分がちょっと頑張って、いただいたお金以上のギブをすると、お客さんがみんなすごく感謝してくれますよね。私は単純にそれが嬉しいだけなんですよ。

安田

それって素晴らしい考え方ですよね。でも中には、こちらからギブをしているのに、全くリターンがなく終わることもあるじゃないですか。イラッとしたりしませんか?


中辻
それは、その時の私がやりたいと思ってやっていたことで、幸せな気持ちでギブできていたんだから、別にいいかなって思います。
安田
「ギブして損した!」なんて思うことはないんですね、中辻さんは(笑)。

中辻

私は別に最悪、損してもいいんじゃないかと思いますよ。そもそも「損しないようにギブしよう」と思ってしまった時点で、それはギブにはならないのかなと。

安田
ああ、なるほど。ギブは恣意的にするものではない、というわけですね。

中辻

そう思います。私も安田さんに言っていただいて初めて、自分がそういう風に人と接することができていたんだって実感したくらいなので(笑)。

安田
なるほど。ちなみに「ギブのコツ」のようなものがあれば教えていただけませんか?

中辻

コツですか…。たぶん私と友達になれば、「ギブの精神」が伝染ると思います!(笑)

安田
笑。ギブの精神を持っている人と仲良くなるのが一番手っ取り早いわけですね。

中辻

はい。同じような考え方の人って集まってくると考えていて。だからウチの会社には私と似たような精神を持ったスタッフが集まっていると思っています。

安田
確かにそうですね。じゃあみんなまずはギブの精神を持っている人と仲良くなって、積極的にギブしていくといいよ、と。

中辻

そうですね。別にお金をギブする必要はなくて。優しさをギブしてもいいんですよ。ギブしていることで結果として自分が幸せでいられる。いろんな人にそうやっていれば、そのうち絶対幸せになれます! …という根拠のないメッセージをお伝えします(笑)。

安田
ありがとうございます(笑)。ギブの精神を大切にすれば、結果的には得をする人生になる。若い子たちにはそういうことに早く気づいてもらって、人生を豊かにしていってもらいたいですね。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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