「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第49回 「好き」を原動力にすることの強さ

今回から数回にわたり、私から見た「中辻麗」という人物像を掘り下げていこうかなと。というのも、最近私のX(旧Twitter)のフォロワーさんの中に、中辻さんに興味を持ってくれる人がすごく増えてきたからです。

あらためて出会いからお話すると……私が中辻さんに初めてお会いしたのは、ペイント王の面接のときでしたね。

実はあの時の私は「その人を本当に採用しても大丈夫なのか」を見極める担当だったんです。というのも、ペイント王社長の久保さんが採用される方って、実際に会ってみると「…え?」となることが多発してまして(笑)。

笑。そんなわけで、中辻さんのことも事前に「良さそうな人ですよ」と聞いていたものの、正直なところあまり期待していなかったんです(笑)。それが面接が始まって10分ほどでもう「あ、この人は絶対採用しなくちゃいけない!」と。

面接ってたいていの人は、自分の良いところだけをアピールしたり、悪く見られないように気をつけるものなんです。面接官によく思われるよう「作った姿」を見せるんですよ。でも中辻さんからはそれを全く感じなくて。

そういうあけすけな姿を見て、これは只者じゃないなと採用を決めた次第で。そういえば以前、妊娠中に美容室とホテルの面接を受けられたと聞きましたが、あれ以降、面接で落とされたことってないんじゃないですか?

今までの「人生ストーリー」を聞いていると、本当にいろいろ苦労しておられて、「人生どん底だ…」という気持ちになってもおかしくないと思うんです。でもどんな状況もしっかり受け止めて、しかもグイグイと前に進んでいますよね?

どうなんでしょうねぇ(笑)。まあ、自分を悲観したり、逆に強がったりしても仕方ないよな、という気持ちはすごくありますね。面接の話もそうですが、自分を着飾って優秀そうに見せたとしても、結局、後々苦しくなるだけですし。

そうですそうです。自分は何ができるのか、何に興味があるのか、どういうことを提供できるのか、逆にどんなスキルが足りていないのか、といったことを積極的に発信して、「私」という人間をそのまま見ていただきたいと思ってました。

そうしてしまう気持ちもわからなくもないですけどね(笑)。とはいえ、やっぱりその人自身に興味を持ってもらえないと採用には結びつかないわけで。だからこそ「中辻に何かをやらせてみたら面白そうだ」と思ってもらえるようなアピールは心がけていました。

私自身、期待されていろいろと任せてもらうことで、さらにたくさん頑張れるタイプの人間なので(笑)。「こんなこともできます」「こういうことがやりたいです」というのは積極的に伝えるようにしていました。

自分自身の特性もしっかり理解して、それを踏まえたアピールをしていたんですね。ちなみに中辻さんの最初のお仕事はヤクルトレディだったわけですが、そこでも最初から「成果を上げたい」という気持ちが高かったわけですよね?

そうそう(笑)。あとはヤクルトってまず商品を自分で仕入れるんですが、当然ながら、売上トップクラスの方たちってものすごい量を仕入れている。で、そういう人たちってすごく輝いて見えるので(笑)、自分もそちら側に行きたいな、と。

そうでもなかったですよ。インターホン越しにお話して、興味をもってもらえた方だけにご紹介するので。で、その時に、初めてヤクルトを飲まれる方ってどんな商品がお口に合うかわからないだろうなと思い、いろんな種類の商品を詰めて「ちょっとお得なセットです」って言って売っていました。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。